まず結論:暮らし方を分けるのは「大きさ・毛・鼻の形・運動量」の4つ
犬種ごとの暮らし方のちがいは、ほとんどが次の4つで説明できます。
| 見るところ | 何が変わるか |
|---|---|
| 1. 体の大きさ・体重 | 電車に乗れるか、泊まれる宿、ホテルや病院の料金 |
| 2. 毛のタイプ | トリミングが必要か、抜け毛の量、お手入れの手間 |
| 3. 鼻の形(短頭種かどうか) | 暑さへの気くばり、飛行機の利用 |
| 4. 運動量 | 散歩の長さ、ドッグランの使い方、留守番のしやすさ |
まずは自分の犬がそれぞれどこに当てはまるかを知ると、散歩・留守番・お手入れ・旅行の計画が立てやすくなります。
ただし、同じ犬種でも、性格や体の大きさには個体差があります。この記事の内容は「一般に言われる傾向」として読み、自分の犬の様子に合わせて考えてください。犬種ごとのくわしい特徴は、犬種図鑑にまとめています。
i-n-u.fun/breed1. 体の大きさで変わること
小型犬
チワワ、トイ・プードル、ミニチュア・ダックスフンド、ポメラニアンなど(同じ犬種でも体格には幅があります)。
- 電車:JR東日本や東京メトロでは、タテ・ヨコ・高さの合計120cm以内のケースに入れ、ケースと犬を合わせて10kg以内なら乗せられます。小型犬は電車でのおでかけがしやすい大きさです
- 宿:小型犬を受け入れる宿は選択肢が広くなります
- 気をつけること:体が地面に近いので、夏のアスファルトの照り返しを受けやすくなります。また、大きな犬とぶつかるとけがをしやすいので、ドッグランは小型犬エリアがあると安心です
中型犬
柴、ウェルシュ・コーギー・ペンブローク、ビーグル、ボーダー・コリーなど。
- 電車:体重によっては、ケースを入れて10kgをこえるため、電車に乗せられないことがあります。移動は車が中心になりやすい大きさです
- 宿:「小型犬のみ」の宿には泊まれないので、中型犬OKの宿をさがします
大型犬
ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー、バーニーズ・マウンテン・ドッグなど。
- 電車:10kgの条件をこえるため、移動は車が基本です
- 宿:大型犬を受け入れる宿をさがします。部屋の広さや、ドッグランがあるかも見ておきましょう
- 飛行機:ANAの貸し出し用ケージには、シェパードやレトリバーなどの大型犬向けのLLサイズ(幅65×奥行95×高さ70cm)もあります。ただし小型の機材では使えないなどの制限があります
2. 毛のタイプで変わること
毛が伸び続けるタイプ
トイ・プードル、シー・ズー、マルチーズ、ヨークシャー・テリア、ビション・フリーゼ、ミニチュア・シュナウザーなど。
毛が伸び続けるので、定期的なカットが必要です。目に毛が入る、足の裏の毛でフローリングがすべる、毛玉ができる、といったことを防ぐために、1〜2か月ごとにサロンに通う人が多い犬種です。家での毎日のブラッシングも大事になります。
毛が生えかわるタイプ(短毛・ダブルコート)
柴、ウェルシュ・コーギー、ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー、シベリアン・ハスキーなど。
全身のカットは基本的にいりませんが、毛が生えかわる時期は抜け毛が多くなります。この時期にブラッシングをこまめにしたり、サロンでシャンプーとブラッシングを頼んだりすると、家の中の抜け毛がへります。
3. 鼻の形で変わること(短頭種)
フレンチ・ブルドッグ、パグ、シー・ズー、ボストン・テリア、ペキニーズのように、鼻が短い犬種を「短頭種(たんとうしゅ)」と呼びます。
ANAは、短頭犬種は「他の犬種と比較して高温に弱く、熱中症や呼吸困難を引き起こす恐れのある」として、毎年5月1日〜10月31日は飛行機の貨物室での預かりをしていません。対象として挙げているのは、ブルドッグ、フレンチ・ブルドッグ、ボクサー、シーズー、ボストン・テリア、ブル・テリア、キングチャールズ・スパニエル、チベタン・スパニエル、ブリュッセル・グリフォン、チャウチャウ、パグ、チン、ペキニーズです。
短頭種と暮らすときは、とくに次のことに気をくばりましょう。
- 夏の散歩は、早朝や、日が沈んで地面が冷めてから
- 夏の旅行は、涼しい場所を選び、車内や部屋の温度に気をつける
- 飛行機を使う旅行は、時期と航空会社の決まりを確かめる
体のことで気になることがあれば、動物病院に相談してください。
4. 運動量で変わること
運動量が多いと言われる犬種
ボーダー・コリー、ジャック・ラッセル・テリア、ビーグル、シベリアン・ハスキーなど、もともと牧羊や狩りのために作られた犬種は、一般に運動量が多いと言われます。
- 散歩の時間を長めにとる、ボール遊びなどで体を動かす
- ドッグランで思いきり走らせる
- においをかがせる遊びなど、頭を使う遊びも取り入れる
体を動かす時間が足りないと、留守番中に落ち着かないこともあると言われます。運動量の多い犬は、留守番の前にしっかり散歩や遊びの時間をとると安心です。
のんびり型と言われる犬種
一方で、体が小さい犬種や短頭種などは、長い距離の散歩よりも、短い散歩を何回かに分けるほうが合うこともあります。どれくらいの散歩が合っているかは、犬の様子を見て決めましょう。
散歩・留守番・お手入れ・旅行の考え方
4つのポイントを、暮らしの場面ごとにまとめます。
| 場面 | 小型犬 | 中型犬 | 大型犬 |
|---|---|---|---|
| 散歩 | 夏は地面の熱に注意。短い散歩を何回かでも | 犬種の運動量に合わせて | 運動量が多い犬種は時間を長めに |
| 留守番 | 練習で少しずつ。体が小さく、物を口にしないよう部屋を片づける | 散歩で体を動かしてから | 運動のあとに。広めのスペースを |
| お手入れ | 毛が伸びる犬種は定期的なカット | 抜け毛の時期のブラッシング | 抜け毛の時期のブラッシング。シャンプーは大きいぶん手間がかかる |
| 旅行 | 電車でも行きやすい | 車が中心。中型犬OKの宿 | 車が基本。大型犬OKの宿 |
どの犬種でも、夏の散歩は時間帯と地面の熱に気をつけましょう。国土交通省の資料には、夏の日中のアスファルトは60℃に達することがあると書かれています。
旅行の計画の立て方は、宿の特集ページも参考にしてください。
犬種図鑑から調べる
犬種ごとの体の大きさや性格の傾向、お手入れのポイントは、犬種図鑑のそれぞれのページで調べられます。
小型犬
中型犬
大型犬
ミックス犬
ミックス犬は、親の犬種によって大きさや毛のタイプがさまざまです。この記事の4つのポイントに、自分の犬を当てはめて考えてみてください。
よくある質問
Q同じ犬種なら、みんな同じように暮らせますか?
同じ犬種でも、体の大きさや性格には個体差があります。犬種の傾向は目安にして、自分の犬の様子に合わせて考えてください。
Q体重9kgの犬は電車に乗れますか?
JR東日本や東京メトロの条件は「ケースと犬を合わせて10kg以内」です。ケースが1kgをこえると条件に合わなくなるので、ケースの重さを確かめてください。
Q短頭種は夏に旅行できませんか?
車で涼しい場所へ行くなど、暑さに気をつければ旅行を楽しんでいる人もいます。飛行機は、ANAのように夏の時期に短頭種を預かっていない航空会社があるので、各社のルールを確かめてください。
Qミックス犬はどの犬種のページを見ればいいですか?
大きさに合わせて、ミックス(小型・中型・大型)のページを見てください。毛のタイプは、実際の毛の伸び方を見て判断するのが確かです。
参考にした情報
- JR東日本「犬を電車に乗せるルール」 https://media.jreast.co.jp/articles/408
- 東京メトロ よくあるご質問「車内に動物を持ち込むことはできますか。」 https://ssl.tokyometro.jp/support/faq_answer?lang=ja&faqno=OpenFAQ-000238
- ANA「ペットをお連れのお客様(国内線)」 https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/reservation/support/domestic/pets/
- 国土交通省 公開資料(舗装の新技術の検討結果、「クールペーブ」の項) https://www1.mlit.go.jp/common/001041853.pdf
- アニコム損害保険「愛犬のトリミングに関するアンケート調査」(2011年7月29日発表) https://www.anicom-page.com/hakusho/family/pdf/20110729.pdf
(いずれも2026年10月に確認)