まず結論:ケースに入れれば、私鉄も地下鉄も乗れる。違うのは料金だけ
犬を電車に乗せるときの条件は、JRも私鉄も地下鉄も、ほぼ同じです。違うのは、お金がかかるかどうかと、きっぷの買い方です。
- 条件はほぼ共通:犬の全身が入る専用のケースに入れて、ケースの縦・横・高さの合計が120cm以内、ケースと犬を合わせて10kg以内。駅や車内ではケースから出さない
- 料金は会社でばらばら:JR・名鉄・近鉄・阪急は1個290円、京阪は280円。東京メトロ・東武・京王・Osaka Metroは料金なし
- 抱っこ・スリング・顔出しバッグは乗れない:全身が入り、形が固定するケースが条件の会社がほとんどです
- 乗り入れ・乗りかえは「有料の会社」が1つでも入るかを見る:たとえばOsaka Metroから阪急に乗り入れると、阪急で降りるときに290円を払います
- ケースこみ10kgをこえる犬は、電車に乗れない:中型犬・大型犬は車での移動を考えます
次にすることは、乗る路線の会社を下の表で確かめ、ケースに犬を入れたまま体重計で量ってみることです。そのあと、すいている時間にひと駅だけ乗る練習をしてから、本番のおでかけに出かけましょう。
会社ごとの料金とケースの条件
各社の公式サイトと旅客営業規則で確かめた内容です(2026年10月に確認)。
| 会社 | ケースの条件 | 料金 | 買い方・注意 |
|---|---|---|---|
| JR東日本・JR東海 | 3辺の合計120cm以内、ケースこみ10kg以内 | 1個290円 | 乗る駅の改札口などでケースを見せて買う |
| 名鉄 | 長さ70cm以内、3辺の合計120cm程度、容器こみ10kgまで | 1個290円 | 乗る前に駅で確かめる |
| 近鉄 | 3辺の合計120cm以内の専用の容器、容器こみ10kgまで | 容器1個290円 | 自動券売機(売っていない区間は駅係員へ) |
| 阪急 | 3辺の合計1.2m以内、こみで10kg以内、全身が入り形が固定するもの | 1乗車ごとに1個290円 | 各駅の券売機で買う。改札機には入れない |
| 京阪 | 3辺の合計120cm以内、容器こみ10kg以内、全身が入り形が固定するもの | 1乗車ごとに1個280円 | 券売機で買い、改札で係員に見せる |
| 東京メトロ | 3辺の合計120cm以内、総重量10kg以内 | 手回り品の別途料金なし | ― |
| 東武 | 3辺の合計120cm以内、容器こみ10kg以内、頭や手足が出ないもの | 無料(規則に明記) | ― |
| 京王 | 3辺の合計120cm以内、全身が入る専用ケース、合わせて10kg以内 | 無料(規則に明記) | ― |
| 東急 | 3辺の合計120cm以内、容器こみ10kg以内 | 規則に料金の定めなし | 規則では、会社の承諾を受けて持ち込む形 |
| 西武 | 3辺の合計120cm以内、容器こみ10kg以内 | 規則に料金の定めなし | ― |
| Osaka Metro | ひざの上で十分に抱ける大きさ以下。ふたのできる容器に入れ、布でおおうなどして外から見えないように | 無料 | ペットカートは条件つきで可 |
JRの手回り品きっぷの買い方、帰りの分の注意はJRで犬を連れて乗るには、新幹線の席の取り方ははじめての犬連れ新幹線にまとめています。
うちの犬は乗れる?3つの条件で確かめる
1. 重さは「ケースこみ」で10kg以内
10kgは、犬とケースを合わせた重さです。ケースだけで1〜2kgあるものも多いので、犬が8kg台だと、ケースによってはこえてしまいます。家で、ケースに犬を入れたまま、人がそれを持って体重計にのり、人の体重を引くと量れます。おやつや水、ペットシーツをケースに入れると、そのぶん重くなるので、当日の中身で量りましょう。
2. 大きさは「縦+横+高さ」で120cm以内
ケースの外側を測って足します。ポケットやふくらみも入れて測ります。名鉄は「長さ70cm以内」という決まりもあります。
3. 全身が入り、形がくずれないケース
JR東海はドッグスリングのような布で形が固定しないものは使えないと案内しており、阪急・京阪も「形状が固定され、全身が入るもの」を条件にしています。東武は「容器から頭や手足が出ないもの」、Osaka Metroはふたのないバッグから頭や足を出した状態を断っています。
乗れる形・乗れない形をまとめると、次のとおりです。
| 形 | 乗れるか |
|---|---|
| ふた・ファスナーが閉まるハードケース、底のしっかりしたキャリーバッグ | 条件内なら乗れる |
| リュック型キャリー(全身が入り、閉じられるもの) | 条件内なら乗れる |
| 抱っこ、スリング、顔が出るトートバッグ | 乗れない |
| ペットカートのまま | 多くの会社でカート全体が制限をこえる。ケースを外して乗る |
ペットカートは、JR東日本ではケース部分が条件内なら、外したカートを折りたたんで手荷物として持ち込めます。京阪もカートとケースを分けられれば、ケースが条件内でカートが無料の手回り品の範囲(3辺250cm以内・30kg以内)なら持ち込めると案内しています。Osaka Metroは、カバーの大部分が不透明で、車内で向きを変えられる大きさのカートなら乗れます。
ケースの選び方は犬のキャリーバッグの選び方、カートはペットカートの選び方にあります。
乗りかえ・乗り入れのときに気をつけること
都市部の電車は、何社もの線路をそのまま走る「直通運転(乗り入れ)」が多くあります。料金がかかるかどうかは、乗る区間の会社ごとに決まります。
無料の会社から有料の会社へ乗り入れる例
阪急電鉄の案内では、Osaka Metroから乗って阪急線内で降りるときは、降りる駅の改札で係員に申し出て、手回り品料金290円を払うことになっています。Osaka Metroが無料でも、阪急の区間ではお金がかかるということです。
JRから私鉄へ乗り入れる例
JRから伊豆急行線へそのまま乗る場合(例:横浜から伊豆高原)は、JRの駅で手回り品きっぷを買うよう、伊豆急行が案内しています。旅行で私鉄沿線の宿へ行く場合のくわしい流れは、JRの記事にあります。
出発前にやること
- 乗る路線に、有料の会社がふくまれていないかを表で確かめる
- 乗りかえ駅で改札を出る場合は、会社ごとにきっぷが要るか確かめる
- 西武鉄道は、直通電車で他社線にそのまま乗る場合の持ち込みについて「各鉄道事業者で異なる部分があるので各社に問い合わせを」と答えています。わからないときは、乗る駅の係員に、降りる駅まで伝えて聞くのが確実です
- 有料の会社のために、現金を少し用意しておく(JRの手回り品きっぷは改札口などで係員から買います)
乗る前の練習:ひと駅から始める
はじめての電車でいきなり長く乗ると、犬もびっくりします。数日〜数週間前から、少しずつ慣らしましょう。
- 家でケースを「よい場所」にする:ふたを開けて部屋に置き、中でおやつを食べる、寝るなどして慣らす
- ふたを閉めて短い時間:数分から始め、落ち着いていられる時間をのばす
- 持ち上げて歩く:家の中や近所で、ケースごと運ばれる揺れに慣らす
- 駅の近くを散歩:すいている時間に、電車の音やアナウンスを聞かせる
- ひと駅だけ乗る:昼間のすいた時間に、ひと駅〜ふた駅乗って帰ってくる
ケースに入るのが苦手な子は、キャリーに慣らす方法の手順から始めると近道です。ケースの中で強くおびえる、鳴きやまない様子が続くなら、無理に電車を使わず、車での移動も考えましょう。体調や乗り物酔いが心配なときは、動物病院に相談してください。
当日のマナー
時間と場所
- 朝夕の通勤時間は避ける。混んだ車内ではケースが押され、犬もまわりの人も負担が大きくなる
- 車両の端や、ドアから離れた場所に立つ・座ると、人の出入りでケースがぶつかりにくい
- 乗りかえの少ないルートを選び、乗っている時間を短くする
車内で
- ケースはひざの上か足もとに置き、座席に置いて席をふさがない。Osaka Metroは、混んでいるときはひざの上にのせるよう呼びかけています
- ケースから出さない。顔だけ出すのもやめる
- 鳴いたら、ケースに手を添えて落ち着いた声をかける。鳴きやまないときは、次の駅でいったん降りて休む
- 動物が苦手な人やアレルギーのある人もいます。近くの人にひと声かけておくと、おたがい気が楽になります
持ち物
- ペットシーツ(ケースの底に敷く)、うんち袋、ウェットティッシュ
- ケースにかける薄い布(Osaka Metroのように外から見えないようにすることを求める会社でも困らない)
- 降りてから使うリードとハーネス
- 少しの水と、こぼれにくい器
- 現金(有料の会社のきっぷ用)
乗る前に散歩をして、トイレを済ませておきましょう。夏はケースの中に熱がこもりやすいので、ホームで待つ時間を短くし、冬は暖房の車内と寒いホームの温度差に気をつけます。
電車で行ける、犬と行ける場所を探す
電車に乗れるようになると、犬と行ける場所が一気に広がります。駅名から、近くの犬OKのお店やドッグラン、動物病院を探せます。
i-n-u.fun/eki駅から歩ける公園のドッグランは、登録制のところが多く、当日行ってすぐ使えるとは限りません。登録に何が要るかはドッグランの登録に必要なもので確かめ、できるものは前もって済ませておきましょう。お店に入るときのマナーはドッグカフェのマナーにあります。
ケースこみ10kgをこえる犬は
ここで確かめた会社は、どこもケースこみ10kgまで(Osaka Metroはひざの上で抱ける大きさまで)が条件です。中型犬・大型犬とのおでかけは、車が中心になります。休憩のとり方などははじめての犬連れドライブにまとめています。盲導犬・介助犬・聴導犬(身体障害者補助犬)は扱いが別で、東武・京王・東急・西武などの旅客営業規則でも、ケースに入れずに連れて乗れることになっています。
よくある質問
Q地下鉄に犬を乗せるのはお金がかかりますか?
東京メトロは手回り品の別途料金がかからず、Osaka Metroは無料と案内しています。ただし、乗り入れ先が有料の会社なら、その区間で料金がかかります。たとえばOsaka Metroから阪急に乗り入れて降りるときは、阪急の改札で290円を払います。
Q小型犬なら抱っこで乗ってもいいですか?
いいえ。多くの会社は、全身が入る専用のケースに入れることを条件にしています。JR東海は、抱いたままやバッグから顔を出した状態では乗れないと案内しています。
Q私鉄はどこも290円ですか?
会社によって違います。名鉄・近鉄・阪急は290円、京阪は280円でした。東武・京王は規則で無料と定めています。乗る前に、その会社の公式サイトや駅で確かめてください。
Qペットカートのまま乗れますか?
多くの会社では、カート全体が大きさの制限をこえるため、カートのままでは乗れません。ケースを外せるカートなら、ケースが条件内で乗れる場合があります。Osaka Metroは、カバーの大部分が不透明で、車内で向きを変えられる大きさなら乗れます。
Q10kgをこえる犬は電車に乗れませんか?
この記事で確かめた会社は、どこもケースこみ10kgまでが条件でした。中型犬・大型犬は、車での移動を考えましょう。
Q2匹を1つのケースに入れてもいいですか?
大きさと「ケースこみ10kg」の条件に収まるかがポイントです。犬が窮屈にならないかも考えて判断し、心配なら乗る駅の係員に聞いてください。
参考にした情報
- JR東日本「ペットと一緒に列車に乗ることはできますか。ペットのきっぷはいくらですか。」
- JR東海「手回り品」
- 名古屋鉄道「手回り品」
- 近畿日本鉄道「入場券・手回り品など」
- 阪急電鉄 FAQ「ペットは電車に乗せられますか」
- 阪急電鉄 FAQ「ペットの切符の運賃を知りたい。」
- 阪急電鉄 FAQ「Osaka Metroから乗り入れる際の手回り品切符の取り扱いについて知りたい」
- 阪急電鉄「About Personal belongings」
- 京阪電車「手回り品・入場券」
- 京阪 よくいただくご質問「ペットカートでペットを電車に乗せることはできますか?」
- 東京メトロ FAQ「車内に動物を持ち込むことはできますか。」
- 東京メトロ FAQ「手回り品は、別途料金がかかりますか。」
- 東武鉄道「その他のご利用について」・東武鉄道 旅客営業規則 第10章 手回り品
- 京王電鉄「よくいただくご意見(FAQ)」・京王電鉄 旅客営業規則
- 東急電鉄「手回り品のご案内」・東急電鉄 旅客営業規則
- 西武鉄道「マナー・車内持ち込み品」・西武鉄道 旅客営業規則
- Osaka Metro「愛玩用小動物の扱いについて」
- 伊豆急行「よくあるご質問」
(いずれも2026年10月に確認。ルールや料金は変わることがあるので、乗る前に各社の公式サイトや駅で確かめてください)
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