まず結論:最初の電話で聞くのは5つ。犬の情報を手元に置いてからかける
はじめての動物病院に電話するときは、聞くことを決めて、犬の情報を手元に置いてからかけます。全部を聞こうとすると長くなり、相手もいそがしい時間にかかってしまいます。
- 最初の電話は5つで足ります。 予約のしかた・受付の最終時刻・時間外に困ったときの連絡先・費用を先に教えてもらえるか・はじめての日に持っていくもの
- かける時間は、昼休みと、始まってすぐ・終わる直前を避ける。 診療時間がわかる動物病院693院では、90.8%に昼休みがあり、終わる時刻は19時台が61.2%でした
- 体調の相談は電話でしない。 「この症状は大丈夫?」は、電話では答えられないことが多いです。気になるときは受診として予約します
- 見学は「できますか」と先に聞く。 決まった仕組みがない病院が多く、診察室の中は見られないのがふつうです
この記事の質問リストと例文を使って、候補の病院に1本ずつ電話してみてください。候補がまだ決まっていないなら、先に動物病院の選び方で2〜3か所にしぼると、聞くことの比べ方もわかります。
電話の前に、手元に置いておくもの
聞かれてすぐ答えられると、話が短くすみます。メモ1枚にまとめておきましょう。
- 犬の情報:犬種、年齢(子犬なら生まれた月)、体重、オスかメスか、避妊・去勢をしているか
- これまでの予防:混合ワクチンと狂犬病の予防注射を、いつ受けたか
- 前の病院・お店からもらった記録:ペットショップやブリーダー、前の病院の健康の記録
- ふだんのフード:商品名(パッケージの写真でも)
- 自分が動ける曜日・時間:平日の夜しか行けない、日曜なら行ける、など
- 聞きたいことの番号つきリスト:下の5つ+自分の犬に合わせた2〜3個
ペット保険に入っているなら、保険証も手元に置いておくと、使えるかどうかを聞くときに話が早くなります。
電話をかける時間:昼休みと、始まり・終わりの前後を避ける
犬ふぁんで曜日ごとの診療時間がわかる動物病院693院を集計すると、次のような形がいちばん多くありました。
- 昼休み90.8%昼休みがある病院
- 朝の始まり81.4%9時台に診療が始まる病院
- 夕方の終わり61.2%19時台に診療が終わる病院
この数字をもとに、近くで探す
この形に当てはめると、問い合わせの電話は次の時間を避けると、ゆっくり話してもらいやすくなります。
- 始まってすぐ(多くは9時台):前の晩から具合の悪い動物の連絡が集まりやすい時間です
- 昼休み:手術や検査、入院している動物の世話をしていることがあり、電話がつながらないこともあります
- 終わる直前(多くは19時ごろ):仕事帰りの飼い主さんが来やすく、受付がいそがしい時間です
午前の診療が少し落ち着いたころや、午後の診療が始まってしばらくしたころが、比べると話しやすい時間です。ただし混み方は病院ごとに違うので、電話口で「いま少しお時間ありますか」と聞いてから始めましょう。
土日は、平日に来られない飼い主さんが集まりやすい日です。長めの相談や見学のお願いは、できれば平日にすると相手も対応しやすくなります。
最初の電話で聞く5つ
どの病院にも同じ5つを聞くと、あとで比べやすくなります。
- 予約制ですか、順番待ちですか。 はじめてでも予約できるか、ネットで予約や順番取りができるかもあわせて聞きます
- 診療の終わりと、受付の最終時刻は同じですか。 「19時まで」と書いてあっても、受付は30分前までということがあります。仕事帰りに行くつもりなら大事です
- 診療時間外や休診日に困ったときは、どこに連絡すればいいですか。 電話で相談できるのか、夜間の病院を案内しているのかを聞きます
- 検査や治療の前に、費用の見込みを教えてもらえますか。 病気の治療費は、犬を診てからでないとわかりません。金額そのものより「先に伝えてもらえるか」を聞くのが現実的です
- はじめての日に、何を持っていけばいいですか。 ワクチンの証明書、健康の記録、フードの名前、便など、病院によって違います
答えを聞きながら、わかる言葉で答えてくれるか、「時間外に困ったら」に具体的な答えがあるかも見ておきます。答えの比べ方と、病院選び全体の手順は動物病院の選び方にまとめています。
時間外の答えが「やっていない」だったら
時間外の診療をしていない病院もあります。それ自体は悪いことではありません。その場合は、家から行ける夜間の病院を自分で調べて、場所と電話番号をスマホに入れておきましょう。探し方は夜に犬を診てもらえる動物病院の探し方にあります。日曜に開いている病院が近くにあるかも、あわせて見ておくと安心です。
自分の犬に合わせて足す質問
5つのほかに、暮らし方や犬に合わせて2〜3個足します。全部聞く必要はありません。
平日は仕事で、土日か夜しか行けない
- 土日や祝日は診療していますか。混みやすいですか
- 何時に着けば、その日のうちに診てもらえますか
- 診察のあと、薬を受け取るだけのときは、時間外でも受け取れますか
日曜・祝日に開いている病院の探し方はこちらの記事にまとめています。
子犬を迎えたばかり
- ワクチンの予定は、どうやって決めますか。前に受けた記録を見て相談できますか
- 病院に慣れるために、体重をはかるだけなどで来てもいいですか
- 子犬の教室や、しつけの相談はしていますか
迎えた日からの流れは子犬を迎えた日にやることにあります。
引っ越して、新しい病院を探している
- 前の病院の記録は、どうやって持ってくればいいですか
- 続けている薬やフードは、こちらでも同じように相談できますか
引っ越したときは、犬の登録の届け出も必要です。手続きは引っ越しで犬の届け出は必要?へ。
シニア犬・大型犬
- 足腰の弱い犬が待てる場所や、車から運ぶ手伝いはありますか
- 大型犬が乗れる体重計や診察台はありますか
- 駐車場から入口までに、段差やせまいところはありますか
- 往診はしていますか
こわがり・ほかの犬が苦手
- 空いている時間帯はいつですか
- 車の中で待って、順番が来たら電話で呼んでもらうことはできますか
- 犬と猫の待合は分かれていますか
ドッグランや宿、トリミングでよく使う
- 混合ワクチンの証明書は、その場で出してもらえますか
- 狂犬病の注射を受けたとき、注射済票もここで受け取れますか
ドッグランや宿では、ワクチンの証明書を求められることがあります。何が必要かはドッグランで必要なワクチン証明にまとめています。
トリミングやホテルもまとめたい
- トリミングや、旅行のときの預かりもしていますか
- 預かりのときに、ワクチンの証明は必要ですか
費用と書類で知っておくと、聞きやすくなること
費用は「目安」と「先に伝えてもらえるか」
動物病院の料金は、病院がそれぞれ決めています。予防注射や健康診断のように内容が決まっているものは、電話でも目安を教えてもらえることが多いです。病気の検査や治療は、犬を診てからでないと決まりません。
動物病院の広告には法律の決まりがあり、農林水産省の「獣医療広告ガイドラインに関するQ&A」では、費用の安さだけを強調する書き方などは広告できないとしています。ホームページに料金が書いていなくても、聞けば教えてもらえることはあります。遠慮せず聞いてかまいません。費用の相場は犬にかかるお金の相場まとめにあります。
診断書は、頼めば出してもらえる
獣医師法では、診療した獣医師は、診断書を求められたときに正当な理由がなければ断ってはいけないことになっています。また、診療の記録(診療簿)は3年以上、決められた期間保存することになっています。
病院を変えるときや、ほかの獣医師の意見も聞きたいときに、検査結果などの写しを出してもらえるか、料金がかかるかは病院によって違います。必要になったら相談してみましょう。
注射済票を病院で受け取れるかは、市区町村による
狂犬病の予防注射を受けたあとの注射済票は、市区町村と契約している病院なら、その場で受け取れることがあります。たとえば千葉県船橋市では、2024年4月から、市と契約している動物病院で注射を受けると、その場で注射済票を受け取れるようになりました。契約していない病院で受けたときは、獣医師が出す注射済証明を持って市の窓口で手続きします(交付手数料550円)。仕組みは住んでいる市区町村によって違うので、市区町村の案内も確かめてください。登録の手続き全体は犬の登録と鑑札にあります。
そのまま使える聞き方の例
電話
最初に「診察の予約ではなく、問い合わせです」と伝えると、相手も心の準備ができます。
「〇〇と申します。〇歳の〇〇(犬種)を飼っていて、こちらをかかりつけにしたいと考えています。診察ではなく、いくつか質問させていただきたいのですが、いまお時間は大丈夫ですか。おいそがしければ、かけ直します」
いそがしそうなら、かけ直してよい時間を聞いて切りましょう。聞いた答えは、その場でメモします。
メール・問い合わせフォーム
番号をつけて3〜5つにしぼると、答えてもらいやすくなります。犬の情報は最初に書きます。
「〇歳の〇〇(犬種)、〇kg、オス(去勢済み)です。混合ワクチンと狂犬病の予防注射は〇月に済んでいます。かかりつけを探していて、次の点を教えてください。
- 予約制ですか、順番待ちですか
- 受付の最終時刻を教えてください
- 時間外に困ったときの連絡先はありますか
- 一度、待合室まで見学に伺ってもよいですか」
見学をお願いするとき
「かかりつけを決める前に、一度、待合室の様子を見せていただくことはできますか。いそがしくない時間を教えていただければ、その時間に伺います」
見学と、はじめて行く日のこと
見学は「できますか」から
動物病院には、見学の決まった仕組みがないことが多く、受け付けかたは病院ごとに違います。待合室までならどうぞという病院、事前に電話がほしいという病院、見学ではなく爪切りや健康相談で一度来てほしいという病院もあります。
診察室や手術室、入院室は、ほかの動物が治療を受けている場所です。衛生や、ほかの飼い主さんのプライバシーのため、外の人が入れないのがふつうです。見せてもらえなくても、悪い病院というわけではありません。かわりに、次のことを聞くと様子がわかります。
- 入院している動物の様子は、どうやって家族に伝えていますか
- 面会はできますか
- 病院にない検査は、どこで受けることになりますか
犬を連れて行くなら
見学だけなら、犬を連れて行かなくてもかまいません。病院に慣らすために連れて行くなら、空いている時間に短く。キャリーやリードを用意して、ほかの犬や猫に近づきすぎないようにします。キャリーに慣れていない子は、先にキャリーに慣らす方法で練習しておくと、受診の日も楽になります。
はじめて行く日は、予防注射や爪切りなど軽い用事にすると、落ち着いて病院の様子を見られます。
聞いた答えを並べるメモ
2〜3か所に電話したら、同じ項目で並べると決めやすくなります。
| 聞いたこと | A病院 | B病院 |
|---|---|---|
| 予約のしかた | ||
| 受付の最終時刻 | ||
| 時間外の連絡先・案内 | ||
| 費用を先に伝えてもらえるか | ||
| はじめての日の持ち物 | ||
| 足した質問の答え | ||
| 話しやすかったか |
「ふだんの予防は歩いて行けるA、日曜はB」のような使い分けが見えることもあります。ただ、ふだんの様子を知っている病院があると変化に気づいてもらいやすいので、かかりつけは1つに決めておくと安心です。
よくある質問
Q動物病院に、診察ではない問い合わせの電話をしてもいいですか?
かまいません。最初に「診察の予約ではなく問い合わせです」と伝え、いそがしい時間(始まってすぐ・昼休み・終わる直前)を避けましょう。いそがしそうなら、かけ直してよい時間を聞きます。
Q電話で治療費を聞いても教えてもらえますか?
予防注射や健康診断など内容が決まっているものは、目安を教えてもらえることが多いです。病気の治療費は犬を診てからでないとわかりません。「始める前に見込みを伝えてもらえますか」と聞いておきましょう。
Q電話で症状を相談してもいいですか?
電話やメールでは答えられないことが多いです。体調が気になるときは、問い合わせではなく受診として予約し、動物病院で診てもらってください。
Q動物病院の見学はできますか?
病院によります。待合室までなら見られることもありますが、診察室や手術室の中は見られないのがふつうです。先に電話で「見学はできますか」と聞きましょう。
Q問い合わせは電話とメール、どちらがいいですか?
急がないならメールや問い合わせフォームでもかまいません。番号をつけて3〜5つにしぼると答えてもらいやすくなります。受付の雰囲気も知りたいなら電話がおすすめです。
Q前の病院の記録はもらえますか?
対応は病院によって違います。獣医師法では、診療の記録は3年以上保存することになっています。写しが必要なときは、前の病院に相談してください。
参考にした情報
- 犬ふぁん 施設データの集計(動物病院4,670院のうち、曜日ごとの診療時間がわかる693院。2026年10月10日時点)
- e-Gov法令検索「獣医師法」(第19条 診療及び診断書等の交付の義務、第21条 診療簿及び検案簿) https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000186
- 農林水産省「獣医療広告ガイドラインに関するQ&A(よくある質問)」 https://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/zyui/attach/pdf/koukoku-1.pdf
- 船橋市「狂犬病予防注射を動物病院で受けたのですが、注射済票をもらうにはどうしたらよいですか?」 https://www.city.funabashi.lg.jp/faq/kurashi/doubutsu/002/p010822.html
(いずれも2026年10月に確認)
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