こまったときガイド›体調が心配なとき

犬の車酔い対策今日からできる慣らし方と、旅行までの段取り

犬の車酔いは、長いドライブをいったん止めて、エンジンをかけない車から数週間かけて慣らし直すのが基本です。乗る前の食事、ケースの固定、においと温度、運転のしかたで酔いの原因も減らします。旅行や帰省までの日数別の段取りと、動物病院に相談したいときの目安をまとめました。

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  • 更新 2026-10-14

まず結論

長い移動はいったん止めて、「止まった車」からやり直す

犬が車でよだれを垂らす、吐く、乗る前から震える。そんなときは、慣らせば乗れるようになる犬も多いですが、数日では変わりません。数週間かけて、つらい経験をさせずに少しずつが基本です。

  1. 練習が進むまで、長いドライブは入れない。「慣れさせよう」と遠出をくり返すと、「車はつらい」の記憶が強くなります
  2. 酔いの原因を先に減らす。乗る直前にたっぷり食べさせない、ケースに入れて固定する、においと温度を整える、ゆっくり運転する
  3. 練習は「エンジンをかけない車」から。乗っておやつを食べて降りるだけ。落ち着いていられた段階で、その日は終える
  4. 行き先を楽しい場所に。車に乗るのが病院の日だけだと、車そのものが苦手になります
  5. 毎回吐く・ひどく震えるなら、動物病院に相談。酔い止めを使うかどうかも獣医師と決めます。人の薬は使いません

今日からすること:今日の運転で犬を乗せるのはやめて、止まった車に1〜2分乗せておやつをあげて降りる、を1回だけやってみましょう。旅行や帰省の予定があるなら、日にちを数えて、下の「予定までの日数別の段取り」を見てください。

つらそうな様子が続くとき、吐くことが多いときは、練習を急がずに動物病院に相談してください。この記事は慣らし方をまとめたもので、体のことの判断はしていません。

STEP1

6つのうち1つめ

酔っているサインを知っておく

酔いはじめのサインに早く気づければ、その日の練習を早めに切り上げられます。次のような様子が見えたら、練習は「1つ前の段階」に戻すサインです。

  • よだれが増える、口をぺろぺろなめる
  • 何度もあくびをする
  • そわそわして鳴く、反対にじっと固まって動かない
  • 吐いてしまう
  • 乗る前から車を嫌がる、ドアの前で動かない

最後の2つは、もう「車=つらい」と覚えはじめているサインです。この場合は、走る練習より先に、エンジンをかけない段階を長めにとります。

STEP2

6つのうち2つめ酔いの原因を減らす

今日から変えられること

JAFは、乗り物酔いの原因を「身体的要因」「外的(物理的)要因」「心理的要因」の3つに分けて説明しています。人の乗り物酔いの説明ですが、JAFは犬などのペットも乗り物に酔うことがあるとして、移動中はこまめに様子を見るよう呼びかけています。3つに分けると、何を変えればよいかが見えやすくなります。

  • 身体的要因

    人の場合の例(JAFの説明より)疲れ、睡眠不足、空腹、満腹、無理な姿勢

    犬のために変えられること乗る前の食事の時間、ケースの中で楽な姿勢がとれる大きさ

  • 外的(物理的)要因

    人の場合の例(JAFの説明より)カーブや揺れの大きな道を走る

    犬のために変えられること換気、まっすぐで平らな道、ゆっくりした運転

  • 心理的要因

    人の場合の例(JAFの説明より)酔いやすいという思い込み、乗り物に乗る不安

    犬のために変えられること短く楽しい練習、乗るたびにごほうび

2-1乗る前

  • 散歩をして、トイレをすませておく
  • 乗る直前にたっぷり食べさせない。何時間前がよいかは犬によって違うので、かかりつけの動物病院に聞いておく
  • 飼い主がそわそわしない。いつもどおりの声かけで乗せる

2-2車の中

  • キャリーやクレートに入れて、シートベルトなどで動かないように固定する。中で体が転がらない大きさのものを使う
  • 強い芳香剤は外し、窓を少し開けて空気を入れかえる
  • 乗せる前にエアコンで温度を整え、ケースに直射日光が当たらないよう日よけを使う
  • 外が見えるとそわそわする子は、ケースに薄い布をかけて落ち着くかを試す(空気の通り道はふさがない)

環境省の「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」も、動物を運ぶときは、なるべく短い時間ですむ方法を選んで必要に応じて休憩をとること、安全で逃げ出さない容器を使うこと、温度・湿度・換気に気をつけることを求めています。

2-3運転のしかた

  • ゆっくり発進して、ゆっくり止まる。急ブレーキ・急ハンドルを避ける
  • カーブの手前でしっかりスピードを落とす
  • 練習の間は、山道やでこぼこ道、渋滞の止まったり進んだりを避ける

JAFは、人の場合、一般に横揺れより縦揺れのほうが酔いやすいといわれるとも説明しています。犬の練習でも、でこぼこの少ない平らな道を選ぶと体への負担を減らせます。

STEP3

6つのうち3つめ慣らし方

4週間の練習プラン

すでに酔ったことがある犬のための、ゆっくりめのプランです。車に乗った経験が少ない子の基本の慣らし方は、はじめての犬連れドライブの5段階の練習にまとめています。こちらは、その1段階ずつを長めにとるやり方です。

  • 1週目

    練習することエンジンをかけずに乗せ、ケースの中でおやつ。数分で降りる

    進む・戻るの目安車に自分から近づけたら次へ。よだれが出たら乗る時間を短く

  • 2週目

    練習することエンジンをかけて数分。慣れたら駐車場の中や家の前を少し動く

    進む・戻るの目安エンジン音で落ち着かなければ1週目に戻る

  • 3週目

    練習すること5〜10分の近所。行き先は公園など犬の好きな場所

    進む・戻るの目安降りたときに元気なら次へ。酔ったら距離を半分に

  • 4週目

    練習すること15〜30分。途中で一度止まって外の空気を吸わせる

    進む・戻るの目安落ち着いて乗れた時間を少しずつのばす

3-1先に、家でケースを「好きな場所」にする

家のケースで落ち着けない子が、揺れる車の中で落ち着くのは難しいことです。扉を開けたケースをリビングに置き、中でおやつやごはんを食べる、自分から入ったらほめる、をくり返してから車に移ります。慣らし方の細かい手順はキャリーに慣らす方法にあります。いつもの毛布やタオルを中に敷くと、においで安心しやすくなります。

3-2うまくいかない日は「1つ前」に戻る

練習の途中で酔っているサインが出たら、その日はそこで終わりにします。次は、うまくいった1つ前の段階から。戻ることは失敗ではありません。「つらい思いをせずに終わる」回を重ねることが、いちばんの近道です。

  • 調子がよい日も、のばすのは少しだけ。「もう少し乗れそう」で終える
  • 吐いてしまっても、しからずに淡々と片付ける。しかると、車がもっとこわくなる
  • 降りたら水を飲ませて少し歩き、落ち着いていられたらたくさんほめる

3-3行き先を楽しい場所に

練習の間は、行き先を公園やドッグラン、好きな人の家などにします。公営のドッグランは登録が要るところが多いので(規約がわかる207か所のうち75.8%が登録制・会員制)、練習の行き先にするなら、登録を先にすませておくと着いてから入れないということを防げます。片道5〜10分で行ける近くの公園やドッグランを探しておきましょう。

犬ふぁん全国のドッグランを探す公園・商業施設・高速道路のSA/PAにあるドッグランです。無料か、小型犬エリアがあるかで絞り込めます。
STEP4

6つのうち4つめ

予定までの日数別の段取り

旅行や帰省の日が決まっているなら、残りの日数で動き方を変えます。

  • 1か月以上

    すること4週間の練習プランを最初から。家のケース練習もあわせて

  • 2〜3週間

    すること1〜2週目を短めにして、近所5〜10分まで進める。動物病院に一度相談しておく

  • 1週間以内

    すること練習で距離をのばすのはやめる。動物病院に相談し、移動時間を短くできないか(行き先・日程・ほかの移動手段)を見直す

  • 当日

    すること練習で落ち着いていられた時間ごとに休憩。帰りも同じ段取りで

旅行の直前に慌てて長い距離を練習すると、つらい経験が増えてしまいます。間に合わないときは、行き先を近くにする、日にちをずらす、ペットホテルに預けるなど、犬に無理をさせない選び方も考えてください。

4-1当日の休憩のとり方

  • 練習で落ち着いていられた時間を目安に、その時間ごとに休憩をとる計画にする
  • 高速道路では、犬の様子が気になっても路肩には止めず、次のSA・PAへ。NEXCO西日本は、高速道路では故障などのときを除いて駐車・停車が禁止されていると案内しています
  • 休憩のたびに外の空気を吸わせ、水を飲ませ、少し歩かせる
  • 疲れている帰りのほうが酔いやすいこともあるので、帰りは休憩を少し多めに

ドッグランのあるSA・PAは高速道路のSA・PAのドッグランで探せます。ケースの固定、夏の車内温度、持ち物など、ドライブ全体の準備ははじめての犬連れドライブにまとめています。

STEP5

6つのうち5つめ

犬のタイプ別の進め方

  • 子犬:短く楽しい経験を重ねると慣れやすいといわれます。外に出てよい時期は、ワクチンの時期とあわせて動物病院で確かめてから
  • こわがりの成犬:エンジンをかけない段階を長めに。車のそばでおやつを食べる、ドアの開け閉めの音に慣れる、といった小さな練習から
  • シニア犬:1回の時間をより短く。乗り降りは抱き上げて、段差で足腰に負担をかけない
  • 多頭飼い:1頭が落ち着かないと、もう1頭もつられることがあります。はじめは1頭ずつ練習します
  • 車に乗るのは病院の日だけだった子:病院そのものが苦手なら、動物病院が苦手な子の慣らし方もあわせて
STEP6

6つのうち6つめ

練習の記録をつけて、相談に使う

練習のたびに短くメモしておくと、どこでつまずいているかがわかります。動物病院やしつけ教室に相談するときにも、そのまま見せられます。

  • 日付と時間帯、走った時間・道
  • ごはんを食べてから何時間たっていたか
  • 乗る前・乗っている間・降りたあとの様子(よだれ、あくび、鳴く、震える、吐いたなど)
  • うまくいったこと、次に変えてみること

6-1相談先

  • 毎回吐く、乗る前からひどく震える、酔い止めを考えたい:動物病院へ。電話で伝えることは動物病院に電話するとき伝えることを参考に
  • ケースにどうしても入らない、車に近づけない:しつけ教室やトレーナーへ。その子に合った進め方を一緒に考えてもらえます
犬ふぁん全国の動物病院を探す日曜診療や対応できる動物の種類で絞り込めます。診療時間は変わることがあるので、受診前に電話で確かめてください。犬ふぁん全国のしつけ教室を探すトイレや吠え、散歩のしつけを習える教室やトレーナーです。自治体が公開している動物取扱業(訓練)の登録簿をもとに、大阪市・京都市・北海道から掲載を始めています。

ほかにも、迷子や急な預け先など、こまったときに最初にすることを場面ごとにまとめています。

i-n-u.fun/komatta
Q&A

迷ったときに

よくある質問

Q犬の車酔いは、慣れれば平気になりますか?
A

短い練習をくり返して、落ち着いて乗れるようになる犬は多いです。ただ、どこまで慣れるかは犬によって違います。毎回つらそうなときは、練習を急がず動物病院に相談してください。

Q酔い止めの薬は使っていいですか?
A

使うかどうかは、体重や体調を見て獣医師が決めることです。人の酔い止めを自己判断で使わず、かかりつけの動物病院に相談してください。旅行の予定があるなら、早めに相談しておくと安心です。

Qごはんは乗る何時間前に食べさせればいいですか?
A

乗る直前にたっぷり食べさせるのは避けましょう。何時間前がよいかは犬の体質や年齢で違うので、かかりつけの動物病院で聞いておきます。

Q来週、車で帰省します。今から間に合いますか?
A

1週間で長い距離まで慣らすのは難しく、急ぐとかえって車が苦手になります。距離をのばす練習はせず、動物病院に相談したうえで、休憩を多めにとる、行き先や移動手段を見直す、などで負担を減らしてください。

Q練習中に吐いてしまったら?
A

しからずに片付け、その日の練習は終わりにします。次は、うまくいった1つ前の段階からやり直します。吐くことが続くときは、動物病院に相談してください。

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