まず結論:旅先では「宿に聞く → かかりつけに電話 → 近くの病院に電話」の順で動く
知らない土地で犬の具合が悪くなると、どこに行けばいいのかわからず慌ててしまいます。まず次の順で動いてください。
- 宿のフロントに「近くの動物病院」を聞く。 犬と泊まれる宿は、近くの病院を知っていることが多く、地元の夜間や休日の事情も教えてもらえます
- かかりつけの病院に電話する。 持病や飲んでいる薬を知っている先生に、いまの様子を伝えて相談します。時間外でも、留守番電話で連絡先を案内していることがあります
- 旅先の病院には、行く前に必ず電話する。 「旅行中で、はじめての受診です」と伝え、いまから診てもらえるかを聞きます
- 夜は、その地域の夜間救急を探す。 都道府県や市の獣医師会のページに、夜間や休日の案内が載っている地域があります
- 費用は「初診+時間外」がかかると考えておく。 日本獣医師会の調査では、初診料の中央値は1,500円、深夜の時間外の上乗せは6,250円でした(回答1,096件)
いちばん効く備えは、出発の前に、旅先の近くの動物病院を2か所(昼に開いている病院と、夜に頼れる病院)調べて、電話番号をスマホに入れておくことです。
いま困っているなら、近くで探す
現在地から近い順に出ます。位置情報が使えないときは、エリアから選べる一覧が開きます。行く前に電話で確かめてください。
いま旅先で困っているなら:この順で電話する
1. 宿の人に聞く
宿にいるなら、まずフロントに相談します。聞くことは次の3つです。
- 近くの動物病院の名前と電話番号
- 今日(いまの時間)開いていそうな病院があるか
- 病院までの行き方(車がなければ、タクシーを呼べるか)
犬連れの客を受け入れている宿は、同じような相談を受けたことがあるはずです。教えてもらった病院にも、行く前に自分で電話して確かめます。
2. かかりつけに電話する
旅先の病院に行く前に、かかりつけに電話できるとあとが楽になります。
- いまの様子を伝えて、どうすればいいか相談する
- 持病・飲んでいる薬・過去の検査の結果など、旅先の病院に伝えるべきことを確かめる
- 旅先の病院から問い合わせがあるかもしれない、と伝えておく
時間外でつながらなくても、留守番電話やホームページで夜間・休日の連絡先を案内していることがあります。
3. 旅先の近くの病院を探して、電話する
近くの病院は、いまいる場所から探せます。この記事のすぐ上のボタンを押すと、現在地の近くで、いま開いている動物病院や夜間の病院が出ます。地図アプリで「動物病院」と検索してもかまいません。
どの方法で見つけても、向かう前に電話してください。地図アプリの営業時間は、祝日や臨時の休みが反映されていないことがあります。旅行の時期(連休・お盆・年末年始)は、病院も休みのことがあります。
4. 夜や休日は、地域の夜間救急を探す
夜に診てもらえる病院は、ふだんの病院より少なくなります。犬ふぁんで診療時間がわかる動物病院693院のうち、20時以降も開いているのは19.3%でした(多くは東京都の病院の集計です)。
夜の頼り先を探すときは、その地域の獣医師会のページを見ます。日本獣医師会のホームページには、都道府県と一部の市の獣医師会へのリンクがまとまっています。たとえば東京都獣医師会は、夜間に診療する病院の名前と時間(20時〜翌朝など)を載せ、来院前に必ず電話すること、予防注射など急がない診療は断ることを案内しています。
「(旅先の県名・市名) 獣医師会 夜間」「(町名) 夜間 動物病院」で調べるのが早道です。夜の病院の種類や探し方のくわしい話は、こちらにまとめています。
日曜・祝日に開いている病院の探し方は日曜・祝日に開いている動物病院の探し方にあります。
旅先の病院に電話するとき、伝えること
はじめての病院では、こちらから情報を出すほど話が早く進みます。メモを見ながらで大丈夫です。
- 旅行中で、はじめての受診であること
- 飼い主の名前と、つながる携帯電話の番号
- 犬種、年齢、体重
- いつから、どんな様子か(見たままを)
- 何か食べた・飲んだかもしれないなら、その物と量、時刻
- 持病や飲んでいる薬、かかりつけの病院の名前
- いまいる場所(宿の名前)と、病院まで何分ほどで行けるか、車があるか
あわせて、次のことを聞いておくと、着いてから困りません。
- いまから行って診てもらえるか、受付は何時までか
- 初診でも受け付けているか
- 支払い方法(現金だけの病院もあります)と、駐車場があるか
- だいたいいくらかかりそうか
行くかどうか、いつ行くかは、電話で獣医師や病院の人の案内を聞いて決めてください。
病院に持っていくもの
旅先の病院は、あなたの犬のことを何も知りません。次のものがあると、説明の手間が減ります。
| 持っていくもの | なぜ要るか |
|---|---|
| かかりつけの診察券(または写真) | 病院の名前と電話番号がすぐわかる。問い合わせてもらえる |
| ワクチン・狂犬病の予防注射の記録(紙か写真) | 予防の記録を聞かれることがある |
| 飲んでいる薬(実物か、薬の袋の写真) | 薬の名前と量を正しく伝えられる |
| 気になる様子の写真や動画 | 病院に着いたら症状が出ないことがある |
| ふだんのフードの名前(パッケージの写真) | 食べているものを聞かれることがある |
| ペット保険の保険証(入っていれば) | 使えるかどうか、窓口で確かめられる |
| 現金 | カードが使えない病院もある |
ペット保険は、窓口で精算できる病院かどうかが保険会社と病院によって違います。使えない病院では、いったん全額を払い、あとで保険会社に請求することになります。領収書と、診療の明細をもらっておきましょう。
移動と、旅の予定の立て直し
病院までの行き方
車で来ていれば移動はできますが、運転する人は、慌てていても安全運転で向かってください。家族がいれば、ひとりが運転、ひとりが犬のそばにいる、と分けます。
車がないときは、タクシーを呼ぶことになります。犬を乗せられるか、キャリーに入れる必要があるかは、タクシー会社によって違います。呼ぶときに「犬を動物病院に連れていきたい」と伝えて確かめてください。宿の人に、犬を乗せられるタクシー会社を聞くのも手です。
電車で動く場合の犬の乗せ方は、JRで犬を連れて乗るにはで確かめられます。
宿に相談すること
病院から戻ったあと、予定どおりに過ごせないこともあります。宿には早めに相談しましょう。
- チェックアウトの時間を遅らせられるか
- もう1泊できるか(延泊)
- 夕食や翌日の予約を変えられるか
- 予定より早く帰る場合、残りの宿泊や食事の扱い
キャンセル料や延泊の料金は、宿によって違います。病院の都合だと伝えれば、相談に乗ってくれる宿もありますが、決まりは宿ごとなので確かめてください。
帰りの移動
病院で、帰りの移動について気をつけることがあれば聞いておきます。長い時間の車の移動、電車、飛行機で帰る予定なら、そのことを獣医師に伝えて相談してください。飛行機で犬を預ける場合は、航空会社にも早めに連絡します。
家に帰ったら、旅先の病院でもらった説明の紙や検査の結果、薬を持って、かかりつけを受診しましょう。
旅先での診療費:初診と時間外がかかる
動物病院の料金は、病院ごとに自由に決められていて、大きく違います。目安として、日本獣医師会の「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査」(回答1,096件、令和3年に実施)の中央値を挙げます。
| 料金の種類 | 中央値 |
|---|---|
| 初診料 | 1,500円 |
| 時間外(休診日)の上乗せ | 2,500円 |
| 時間外(深夜)の上乗せ | 6,250円 |
旅先の病院は、ほとんどの場合「初診」です。夜や休日なら、時間外の料金も上乗せされます。これに、検査・処置・薬などの料金が加わります。
旅行の前にしておくこと
旅先で困ったときに、いちばん時間がかかるのは「病院を探すこと」です。出発の前に、次のことをすませておきましょう。
旅先の病院を2か所、調べておく
- 昼に開いている病院:泊まる町か、となりの町。休診日と、旅行の日の診療時間を公式ページで確かめる
- 夜に頼れる病院:その地域の夜間救急、または夜遅くまで開いている病院。なければ、少し遠くても候補を1つ
名前・電話番号・住所をスマホの連絡先に入れ、宿からの距離(車で何分か)も見ておきます。連休やお盆、年末年始に出かけるなら、その日に開いているかもあわせて確かめます。
犬連れ旅行で人気の町の動物病院を、地図で見られます。泊まる町が入っていなければ、動物病院の一覧から都道府県・市町村を選んでください。
犬連れ旅行で人気の町の動物病院
山梨県の6か所
いる場所の近くでも探せます。
一覧から探す →地図の病院も、診療時間は変わることがあります。行く前に必ず電話か公式ページで確かめてください。
宿に聞いておく
予約のときか、出発の前に、宿に「近くに動物病院はありますか」と聞いておきます。犬連れの客が多い宿なら、よく紹介する病院を教えてもらえることがあります。
スマホに入れておくもの
- かかりつけの病院の名前・電話番号・休診日と、時間外の連絡先
- ワクチン・狂犬病の予防注射の記録の写真
- 飲んでいる薬の袋の写真
- ペット保険の保険証の写真と、保険会社の連絡先
- 犬の顔と全身の最近の写真(迷子になったときにも使えます)
持ち物に入れておくもの
- いつもの薬(旅行の日数より少し多めに)
- いつものフード(急に変えないため)
- 現金
- 鑑札・注射済票・迷子札をつけた首輪
持ち物の全体は、こちらのリストでそろえられます。
出発の前に、かかりつけに相談する
持病がある、年をとってきた、長い時間の移動が心配。そんなときは、旅行に行ってよいか、旅先で気をつけることは何かを、出発の前にかかりつけに相談しておきましょう。旅の計画そのものの立て方は犬連れ旅行の計画の立て方にまとめています。
よくある質問
Q旅行先で犬の具合が悪くなったら、まずどこに電話すればいい?
かかりつけの病院に電話して、いまの様子を伝えて相談しましょう。並行して、宿の人に近くの動物病院を聞き、旅先の病院にも行く前に電話します。迷ったら、まず動物病院に電話するのがいちばんです。
Qはじめての病院でも診てもらえる?
初診を受け付けている病院は多くありますが、予約制の病院や、時間外は「かかりつけの患者だけ」という病院もあります。電話で「旅行中で、はじめての受診です」と伝えて確かめてください。
Q夜中に旅先で具合が悪くなったら?
その地域の夜間救急の病院を探して、行く前に電話します。都道府県や市の獣医師会のページに夜間の案内が載っている地域があります。近くになければ、かかりつけの時間外の窓口に電話して相談してください。
Q旅先の病院でペット保険は使える?
窓口で精算できるかどうかは、保険会社と病院によって違います。使えない病院では、いったん全額を払い、あとで保険会社に請求します。保険証を見せて病院に聞き、領収書と明細をもらっておきましょう。
Q旅行を途中でやめて帰ってもいい?
帰りの移動について、診てもらった病院で相談してから決めてください。宿のキャンセルや延泊の扱いは宿ごとに違うので、早めに宿に相談します。
参考にした情報
- 公益社団法人 日本獣医師会「リンク集(地方獣医師会)」 https://jvma-vet.jp/links/index.html
- 公益社団法人 東京都獣医師会「夜間の診療について」 https://tvma.or.jp/owner/night/
- 公益社団法人 日本獣医師会「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査 調査結果」 https://jvma-vet.jp/clinic/ryokin_pdf/r5.pdf
- 犬ふぁん 施設データの集計(動物病院の診療時間。曜日ごとの診療時間がわかる693院。2026年10月10日時点)
(公式ページはいずれも2026年10月に確認)
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