まず結論:「いつものもの」「もしもの備え」「宿のルール」の3つで考える
犬との旅行の持ち物は、次の3つに分けて考えると忘れ物が減ります。
- いつものもの:フード、水と器、トイレ用品、寝床になるもの。旅先でも、ふだんと同じ暮らし方ができるように
- もしもの備え:鑑札・迷子札、ワクチンの証明書、常用の薬、犬の写真、旅先の動物病院の連絡先
- 宿や乗り物のルールで必要なもの:マナーウェア、ケージ・キャリー、移動用のケースなど
1泊2日なら基本のセットで足ります。連泊では、フードやトイレ用品を日数分に増やし、洗濯や汚れへの備えを足します。宿や乗り物によって、用意されているもの・求められるものが違うので、出発前に確かめておきましょう。
必ず持っていくもの(基本のセット)
どんな旅行でも、これだけは忘れないようにしましょう。
| 持ち物 | ポイント |
|---|---|
| いつものフード | 食べる回数分+予備。旅先で急にフードを変えると、食べなかったり、おなかの調子をくずしたりすることがあります |
| 水と器 | 移動中も飲めるように。折りたためる器が便利 |
| リード・首輪(ハーネス) | 予備のリードも1本あると安心 |
| 鑑札・注射済票 | 犬につけておくことが法律で決められています |
| 迷子札 | 旅行中もつながる携帯電話の番号を書く |
| ワクチンの証明書 | 宿やドッグランで求められることがある。紙か、スマホの写真で |
| うんち袋・ティッシュ | 散歩の回数より多めに |
| トイレシーツ | 室内でトイレをする子は必須 |
| キャリー・クレート | 移動用にも、宿での寝床にもなる |
| タオル | 体をふく、汚れたときの敷物に |
| 動物病院で出されている薬 | いつも飲んでいる薬がある子は、日数分を忘れずに |
1泊2日のリストと、連泊で足すもの
食べるもの・飲むもの
- フード(食べる回数分+予備1〜2回分)
- おやつ(ごほうびや、落ち着かせたいときに)
- 水(移動中に飲む分)
- 食器・水の器
フードは1回分ずつ袋に小分けしておくと、量をはかる手間がなく、荷物も減らせます。
トイレ・衛生
- トイレシーツ(多めに)
- うんち袋
- ウェットティッシュ・体ふきシート
- 消臭スプレー
- マナーウェア(おむつ・マナーベルト):館内でつけるよう決めている宿があります
過ごす・眠る
- いつも使っている毛布やベッド(においがついていると落ち着きやすい)
- クレート
- お気に入りのおもちゃ
お手入れ
- ブラシ
- 粘着ローラー(帰る前に部屋の抜け毛を取る)
- 足ふきタオル
書類・情報
- ワクチンの証明書
- 宿の予約内容(犬の条件や料金を確かめられるもの)
- 旅先の近くの動物病院の連絡先(夜間・休日に診てもらえる病院も)
- 犬の写真(迷子になったときにすぐ見せられるよう、スマホに入れておく)
連泊で足すもの
連泊では、日数が増える分だけ消耗品を増やし、洗濯や汚れへの備えを足します。
| 足すもの | 1泊2日との違い |
|---|---|
| フード・おやつ | 日数分+予備。帰りが遅れたときに備えて多めに |
| トイレシーツ・うんち袋 | 日数分。使いきりそうなら現地で買い足す |
| タオル | 洗えない場合を考えて多めに。薄手で乾きやすいもの |
| 汚れたものを入れる袋 | 防水のものが便利 |
| 体ふきシート・ドライシャンプー | 連日の外歩きの汚れに |
| 着替え用の服 | 服を着せている子は、ぬれたときの替えを |
| 暇つぶしのおもちゃ | 部屋で過ごす時間が長くなるときに |
連泊では、犬が疲れをためやすいことも考えておきましょう。毎日予定をつめこまず、宿でゆっくり過ごす時間をつくると、犬も人も楽になります。
荷物のまとめ方:すぐ出すものと、宿で使うものを分ける
持ち物がそろったら、まとめ方も工夫しましょう。犬の荷物を1つの大きなかばんに入れてしまうと、移動中に必要なものがすぐに出せません。
手元に置く「すぐ出すポーチ」
移動中や休憩のたびに使うものは、小さなポーチやバッグにまとめて、手の届くところに置きます。
- うんち袋とティッシュ
- 水と折りたたみの器
- 1回分のおやつ
- 予備のリード
- ウェットティッシュ
- ワクチンの証明書(または写真を入れたスマホ)
車なら助手席の足元、電車なら自分のかばんの中など、犬から目を離さずに取り出せる場所に入れておくと、休憩やトイレのときにあわてずにすみます。
宿で広げる「部屋用のかばん」
フード、トイレシーツ、毛布、ブラシ、粘着ローラーなど、宿に着いてから使うものは別のかばんにまとめます。部屋に入ったら、まずトイレの場所と寝床をつくり、水を置いてから荷物を広げると、犬が早く落ち着きやすくなります。
帰りの荷物も考えておく
帰りは、使ったタオルや汚れた服が増えます。防水の袋や、たためるバッグを1つ多めに入れておくと、帰りの荷造りが楽です。帰る前に、部屋に犬のおもちゃや食器を置き忘れていないか、ベッドの下まで確かめましょう。
犬ふぁんのデータで見る:旅先でペット用品を買い足せる時間
連泊で荷物を減らしたいときや、忘れ物をしたときは、旅先のペットショップで買い足す方法があります。犬ふぁんに載っているペットショップ2,779店のうち、曜日ごとの営業時間がわかる1,049店を集計すると、次のようになりました(2026年10月10日時点)。
| 旅先で買い足すときに関係する数字 | 割合(n=1,049) |
|---|---|
| 日曜に営業している | 86.5% |
| 20時以降まで営業している | 72.9% |
| 8時までに開いている | 0.8% |
開店の時間の真ん中(中央値)は10:00、閉店の時間の真ん中は20:00でした。日曜も開いている店が多く、夜も20時台まで開いている店が多い一方で、朝早くに開いている店はほとんどありません。
旅行の流れに当てはめると、こう考えられます。
- 出発の朝に買うのはむずかしい:8時までに開いている店は0.8%。足りないものは前日までに買っておく
- 宿に着く前や、夕方に寄りやすい:楽天トラベルに載っている犬と泊まれる宿2,500軒のうち、チェックインの時間が15時台の宿が78.7%。チェックインの前後や夕食前に寄る時間をつくりやすい
- チェックアウトのあとにも寄れる:同じ宿のデータでは、チェックアウトが10時台の宿が73.8%。開店の10時ごろと重なるので、帰り道で買い足せることがあります
ただし、いつものフードが旅先の店で手に入るとは限りません。フードやおやつは家から持っていき、現地ではトイレシーツやうんち袋など、どこでも同じように使えるものを買い足すのが安心です。
宿に確かめたいものと、荷物を減らすコツ
犬と泊まれる宿の中には、犬用の食器、トイレシーツやトイレトレー、ケージ、足洗い場、粘着ローラーなどを用意している宿があります。何を用意しているかは宿によって違うので、予約のときに確かめると荷物が減ります。
反対に、宿のルールで持っていくものが増えることもあります。
- 館内ではマナーウェアをつける
- 客室ではケージに入れる(ケージを持ってくるよう決めている宿もある)
- ワクチンの証明書を見せる
- 犬をベッドやソファに上げない
犬ふぁんが集計した宿の注意事項でも、ワクチンの証明について書いている宿は2,500軒中128軒(5.1%)でした。注意事項に書いていなくても、チェックインのときに求められることがあるので、証明書は持っていきましょう。
荷物を減らすコツ
- 宿で用意されているものは持っていかない
- フードは1回分ずつ小分けにする
- タオルは薄手で乾きやすいものにする
- 使ったトイレシーツやうんち袋の捨て方は、宿のルールに従う(持ち帰りを求める宿もある)
- 消耗品の一部は、現地で買い足す前提にする
移動手段ごとに足すもの
車
- クレートやドライブ用ボックス(走っている間に動かないよう固定する)
- 防水シートや、汚れてもよいタオル
- 酔ったときのためのビニール袋とタオル
- 休憩で使う水と器
- 夏は、車の中に犬だけを残さない。休憩のときもいっしょに降りる
電車
JR東日本では、犬や猫などの小動物を電車や新幹線に持ち込むとき、「手回り品きっぷ」(1個290円)が必要です。条件は次のとおりです(JR東日本の案内より)。
- 動物専用のケースやバッグに全身を入れ、顔を出さない
- ケースのタテ・ヨコ・高さの合計が120cm以内
- ケースと動物を合わせた重さが10kg以内
- 抱っこやリードだけ、スリングやカートから顔が出ている状態では持ち込めない
重さの上限にはケースの重さも含まれるので、軽いキャリーを選ぶと、乗せられる犬の体重に余裕が出ます。ふたやファスナーがしっかり閉まるキャリーを選び、旅行の前に家で慣らしておきましょう。ほかの鉄道会社は条件が違うことがあるので、乗る会社の案内を確かめてください。
飛行機
ANAの国内線では、犬は貨物室に預ける形になり、料金は1個1路線あたり6,600円(一部の路線は4,400円)です。持ち物に関係する条件は次のとおりです(ANAの案内より)。
- ケージ:IATA規定に合った、航空輸送に耐えられるペットケージでの輸送のみ。持参のケージが使えない場合は、ANAの貸し出し用ケージになる
- 給水器:熱中症や脱水を防ぐため、ノズル式の給水器の取り付けが必要。受け皿タイプは預けられない
- 暑さ・寒さ対策:夏はクールマットや保冷剤、冬は毛布やペット用カイロの用意をお願いしている
- おもちゃとリード:ケージの中におもちゃを入れると誤飲のおそれがある。リードは必ず外して預ける
- 季節の制限:毎年5月1日〜10月31日は、フレンチ・ブルドッグやパグなどの短頭犬種の預かりを中止している
飛行機を使う旅行では、ケージと給水器が持ち物の中心になります。はじめて飛行機を使う場合や心配なことがある場合は、獣医師に相談するようANAも案内しています。
季節ごとの追加と、出発前のチェックリスト
季節ごとに足すもの
夏は、暑さへの備えが中心です。水はいつもより多めに持ち、保冷剤やクールマット、ぬらして首に巻けるタオルなどを用意します。キャリーやクレートに日よけをかけられるものもあると便利です。日中の暑い時間の移動はできるだけ避け、こまめに休憩して水を飲ませましょう。
冬は、寒さと冷えへの備えです。服や毛布、冷える床に敷くマットがあると安心です。雪のある場所では、足や体がぬれて冷えるので、タオルを多めに持っていきます。
雨の時期は、汚れとぬれへの備えです。レインコート、足ふきタオルを多めに、汚れた服やタオルを入れる防水の袋を用意しましょう。宿の部屋を汚さないよう、部屋に入る前に足をふけるようにしておくと気持ちよく過ごせます。
出発前のチェックリスト
| チェック | 確かめること |
|---|---|
| フード | 回数分+予備があるか。小分けにしたか |
| 鑑札・迷子札 | 首輪についているか。迷子札の番号は旅行中もつながるか |
| 証明書 | ワクチンの証明書(紙かスマホの写真)があるか |
| 薬 | 常用の薬が日数分あるか |
| 宿のルール | マナーウェア、ケージ、頭数、犬の料金を確かめたか |
| 宿の用意 | 宿に用意があるもの(食器・シーツなど)を荷物から外したか |
| 乗り物 | ケースの大きさ・重さ、ケージや給水器の条件を確かめたか |
| 旅先の情報 | 近くの動物病院(夜間・休日も)とペットショップを調べたか |
| 写真 | 最近の犬の写真がスマホに入っているか |
よくある質問
Qフードはどれくらい多めに持っていけばいい?
決まりはありませんが、帰りが遅れたときに備えて、予定の回数より1〜2回分多めに持っていくと安心です。旅先で同じフードが手に入るとは限りません。
Q宿にワクチンの証明書は必要?
求める宿があります。必要かどうか、紙かスマホの写真でもよいかは、宿によって違うので予約のときに確かめてください。
Qマナーウェアは必要?
館内でつけるよう決めている宿があります。オスのマーキングが心配な子は、ルールがなくても持っていくと安心です。
Q旅行用に新しいグッズを買ったら?
新しいキャリーや服は、旅行の前に家で使って慣らしておきましょう。当日はじめて使うと、犬が落ち着かないことがあります。
Q忘れ物をしたら、旅先で買える?
犬ふぁんの集計では、営業時間がわかるペットショップ1,049店のうち86.5%が日曜も営業し、72.9%が20時以降まで開いています。ただし朝早くに開いている店はほとんどないので、夕方やチェックアウト後に寄る計画にしましょう。
旅行の行き先や宿の選び方は、こちらの記事でまとめています。
参考にした情報
- 厚生労働省「狂犬病に関するQ&A」(鑑札と注射済票の装着) https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/07.html
- JR東日本 JREメディア「新幹線や電車に犬や猫を持ち込むには『手回り品きっぷ』が必要!利用ルールも解説」(2026年9月現在の情報) https://media.jreast.co.jp/articles/408
- ANA「ペットをお連れのお客様(国内線)」 https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/reservation/support/domestic/pets/index.html
- 犬ふぁん 施設データの集計(ペットショップの営業時間。営業時間がわかる1,049店。2026年10月10日時点)
- 犬ふぁん 施設データの集計(犬と泊まれる宿。楽天トラベルに載っている宿2,500軒の公開情報。2026年10月10日時点)
(いずれも2026年10月に確認)
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