まず結論:予約サイトに書かれたルールは少ない。でも実際の規約はかなり細かい
犬ふぁんでは、楽天トラベルに載っている「犬と泊まれる宿」2,500軒の公開情報を集めています。その「注意事項」の文章に、犬のルールがどのくらい書かれているかを数えました。
- ワクチンの証明5.1%128軒
- 頭数の制限4.0%101軒
- マナーベルト・おむつ1.1%28軒
- ケージの持参0.8%21軒
- ベッド・ソファの禁止0.3%8軒
- 大型犬は不可0.2%5軒
この数字をもとに、近くで探す
わかったことを先にまとめます。
- 予約サイトの注意事項に書かれているルールで、いちばん多いのはワクチンの証明(5.1%)。次が頭数の制限(4.0%)
- どのルールも、注意事項に書いている宿はごく一部です。ただし、これは「ルールがない宿が多い」という意味ではありません
- 宿の公式サイトの規約を読むと、ワクチンは「5種以上の混合ワクチン+狂犬病」「接種から2週間以上1年未満」という決め方が何軒もの宿で共通していました
- 頭数は「1室1頭(小型犬のみ)」から「1室6匹まで」まで、宿によって大きく違います
- ケージは「夜はケージで寝る」「犬だけで部屋に残すときはケージ」「ロビーはクレートで」と、場面ごとに決められていることが多い
- マナーベルト・おむつは「マーキングの心配がある犬は着用」「あれば安心」のように、条件つき・おすすめの形で書かれていることがありました
つまり、「犬と泊まれる宿のルール」は、予約サイトの一覧だけ見てもほとんどわかりません。予約の前に、宿の公式サイトの規約や同意書まで読むのが確実です。この記事では、データで「どんなルールが書かれやすいか」を見たあと、公式サイトで確かめた6つの宿の実例をルールごとに並べ、予約前に準備することまでまとめます。
部屋・食事処・お風呂でのふるまい方は「犬と泊まれる宿のマナー」の記事で、宿の料金の目安は「犬と泊まれる宿の料金」の記事でくわしく書いています。
調べ方と、このデータでわかること・わからないこと
どんなデータか
犬ふぁんには、楽天トラベルに載っている「犬と泊まれる宿」2,500軒の公開情報があります(2026年10月10日時点の集計)。宿の種類は、ペンション、ホテル、旅館などです。
この記事の割合は、宿が楽天トラベルの「注意事項」などに書いている文章の中に、「ワクチン」「頭数」「ケージ」「マナーベルト」などのことばが出てくる宿を数えたものです。母数(n)は、すべて2,500軒です。
気をつけてほしい3つの点
- 書いていない=ルールがない、ではありません。 注意事項の欄は短く、くわしい規約は宿の公式サイトや予約後の案内、当日の同意書に書かれていることがよくあります。実際、この記事で紹介する宿の多くは、公式サイトに長い規約を載せています
- 楽天トラベルに載っている宿だけの数字です。 楽天トラベルに載っていない宿や、公式サイトだけで予約を受けている宿は入っていません。全国の犬と泊まれる宿を代表する数字ではありません
- ことばで数えているので、取りこぼしがあります。 たとえば「マナーパンツ」「マナーウェア」のように書き方が違うと、数えられていないことがあります
都道府県で比べない
犬ふぁんの宿の数は、楽天トラベルにどの地域の宿が多く載っているかで変わります。そのため、「〇〇県は犬のルールが厳しい」といった比べ方はしていません。
犬ふぁんのデータで見る宿のルール
いちばん多いのはワクチンの証明(5.1%)
注意事項でいちばん多く出てきたのは、ワクチンの証明についての記載で、2,500軒中128軒(5.1%)でした。だいたい20軒に1軒です。
ワクチンの証明が多いのは、犬と泊まれる宿では、ほかのお客さんの犬も同じ部屋や共用の場所を使うからです。前に泊まった犬、ドッグランで一緒になる犬がどんな予防をしているかがわからないと、宿もお客さんも安心できません。そのため、ワクチンは「どの宿でも聞かれる可能性がある」ルールと考えておくのがよいでしょう。
次に多いのは頭数の制限(4.0%)
頭数の制限は、2,500軒中101軒(4.0%)でした。1室に何頭まで泊まれるかは、多頭飼いの家庭にとっていちばん大事な条件の1つです。注意事項に書かれていなくても、予約の画面で「犬の数」を選ばせる宿や、2頭目から追加料金がかかる宿があります。
マナーベルト・ケージ・ベッドは1%前後
- マナーベルト・おむつ:28軒(1.1%)
- ケージの持参:21軒(0.8%)
- ベッド・ソファの禁止:8軒(0.3%)
- 大型犬は不可:5軒(0.2%)
このあたりは、予約サイトの注意事項にはほとんど書かれていません。けれども、後で紹介する公式サイトの規約では、「寝具に寝かせない」「ケージで寝る」はかなり多くの宿で決められていました。予約サイトに書かれていないルールほど、当日になって知ることになりやすいので、事前に確かめておきたいところです。
「大型犬は不可」が0.2%と少ないのは、大型犬を受け入れない宿が少ないからではなく、「小型犬のみ」「〇kgまで」のように、別の書き方をしている宿が多いためと考えられます。大型犬と泊まるなら、受け入れを明記している宿から探すと話が早いです。
犬の料金が書かれていた宿は、ごく一部
犬の料金(1泊1頭あたり)も、注意事項に金額が書かれていた宿だけを拾いました。金額がわかったのは、小型犬28軒、中型犬26軒、大型犬30軒で、中央値は小型犬2,000円、中型犬2,500円、大型犬3,300円でした。真ん中の半分(25〜75%の範囲)は、小型犬1,100〜2,200円、中型犬1,650〜3,000円、大型犬2,420〜4,000円でした。数が少ないので、目安の目安と考えてください。後で紹介する宿の公式規約では、1頭5,500円という宿もありました。
宿のルールは、どこに書かれているか
データで見たとおり、予約サイトの注意事項だけでは、ルールのほとんどがわかりません。実例を探していくと、犬のルールは次のような場所に分かれて書かれていました。
| 書かれている場所 | 書かれやすいこと |
|---|---|
| 予約サイトの注意事項・プランの説明 | 犬の料金、頭数、ワクチンの証明が必要かどうか |
| 宿の公式サイトの「規約」「注意事項」のページ | ワクチンの種類と期間、泊まれない犬種、ケージ、寝具、留守番、損害 |
| 同意書(PDFや当日の用紙) | 生理・妊娠・ノミダニの条件、敷地内の移動のしかた、違反したときの扱い |
| FAQ(よくある質問) | ワクチンを打てない犬、シニア犬、宿によって違う点 |
予約サイトで宿を見つけたら、宿の名前で公式サイトを開き、「ペット」「愛犬」「わんちゃん」などのページを探します。規約や同意書がPDFで置かれていることも多いので、予約の前に一度ダウンロードして読んでおきましょう。同じチェーンでも、施設や部屋のタイプによって条件が違うことがあるので、泊まる施設のページを読むのが確実です。
実例で見る:ワクチン証明のルール
ここからは、宿の公式サイトに載っている規約・同意書を読んで、ルールごとに比べます。取り上げたのは次の8つの宿・チェーンです(どれも2026年10月に公式サイトで確かめた内容の要約です)。
- 軽井沢マリオットホテル(長野県軽井沢町)のドッグ対応コテージ
- 伊豆マリオットホテル修善寺(静岡県伊豆市)のドッグフレンドリールーム
- 軽井沢プリンスホテル ウエスト(長野県軽井沢町)のドッグコテージ
- 松の浦別邸(滋賀県大津市)
- アクアペンション クッチェッタ(静岡県浜松市)
- 休暇村富士(静岡県富士宮市)のペット同伴コテージ
- 星野リゾートの「愛犬ルーム利用規約」
- ホテルリブマックスの「Dog×Stay」プランと、リロホテルズ&リゾーツの案内
「5種以上+狂犬病」「2週間以上1年未満」が多い
| 宿 | ワクチンの条件 | 証明書の出し方 |
|---|---|---|
| 軽井沢マリオットホテル | 狂犬病と5種以上の混合ワクチン。接種後2週間以上1年未満 | 宿泊日の1週間前までに、フォーム・ファクス・メールで証明書と注射済票のコピーを出す |
| 伊豆マリオットホテル修善寺 | 5種以上の混合ワクチン。接種後2週間以上1年未満。狂犬病予防注射済票のコピーも | 証明書を出す |
| 軽井沢プリンスホテル ウエスト | 5種以上の混合ワクチンと狂犬病。2週間前〜1年以内に接種 | 同意書で申告し、当日コピーを見せる |
| 松の浦別邸 | 5種以上の混合ワクチンと狂犬病予防注射済証。接種後2週間以上1年未満 | 出さないと共用部とドッグランが使えない |
| リロホテルズ&リゾーツ | 狂犬病と5種以上の混合ワクチン。接種後2週間以上1年以内。3種のみは不可 | 接種の証明が必要 |
| ホテルリブマックス Dog×Stay | 混合ワクチンと狂犬病ワクチン | 証明書を持参(コピー可) |
| アクアペンション クッチェッタ | 狂犬病と混合ワクチンの接種 | 体質上むずかしい場合は相談 |
| 星野リゾート 愛犬ルーム | 狂犬病は毎年。混合ワクチンは5種以上で接種後3年未満、または抗体検査で十分な抗体があること | チェックインのときに提示 |
表の7つのうち6つが、混合ワクチンを「5種以上」と決めていました。リロホテルズ&リゾーツは「3種混合のみでは利用できない」とはっきり書いています。かかりつけの動物病院で何種のワクチンを打っているかは、証明書を見ればわかります。わからなければ、病院に聞いてみましょう。
「接種後2週間以上」に注意
もう1つ多かったのが、接種してから2週間以上たっていること、という条件です。旅行の直前にあわててワクチンを打つと、2週間がたっておらず、条件に合わないことがあります。旅行の予定が決まったら、まず証明書の日付を見て、
- 1年がたっていないか(期限切れになっていないか)
- 旅行の日に、接種から2週間以上たっているか
の2つを確かめておきましょう。ワクチンをいつ打つかは、犬の体の状態をみて動物病院と相談して決めてください。
狂犬病は法律、混合ワクチンは宿の決まり
ワクチンの条件には、性質のちがう2つが混ざっています。
- 狂犬病予防注射:厚生労働省によると、生後91日以上の犬の飼い主は、犬の登録と年1回の狂犬病予防注射が法律(狂犬病予防法)で義務になっています。鑑札と注射済票は犬につけることも決められています。宿に求められるかどうかにかかわらず、受けておくべきものです
- 混合ワクチン:何種を打つか、どのくらいの間隔で打つかは、法律では決まっていません。宿は、ほかの犬への感染を防ぐために、それぞれの考えで条件を決めています。だから宿によって「5種以上」「3種のみは不可」「1年未満」「3年未満」と違いが出ます
なお、神戸市の案内によると、2027年3月2日から狂犬病予防注射は1年中いつでも受けられるようになります(これまでは毎年4〜6月)。ただし、毎年同じ時期に受けるよう求められています。注射の時期を変えたときは、宿の「1年以内」の条件に合うか、証明書の日付で確かめましょう。
「1年未満」と「3年未満」、抗体検査も
期間の決め方は「1年未満(1年以内)」がいちばん多かった一方で、星野リゾートの愛犬ルームは、混合ワクチンを「接種後3年未満」としたうえで、抗体検査で十分な抗体があることを証明する方法も認めています。同じ犬でも、宿によって条件に合ったり合わなかったりするということです。
前に泊まった宿で大丈夫だったからといって、次の宿でも同じとは限りません。宿を変えるたびに、ワクチンの期間の書き方を読み直しましょう。抗体検査をするかどうかは、かかりつけの動物病院に相談してください。
証明書を出すタイミングは宿ごとに違う
- 事前に送る:軽井沢マリオットホテルは、宿泊日の1週間前までにフォーム・ファクス・メールで提出
- 当日に見せる:軽井沢プリンスホテル ウエストは、当日にコピーを提示
- 持っていく:ホテルリブマックスのDog×Stayは、証明書(コピー可)を持参
- チェックインで見せる:星野リゾートの愛犬ルームは、チェックインのときに予防注射済票と混合ワクチンの証明書を提示
- 同意書とセット:休暇村富士のペット同伴コテージは、愛犬同伴宿泊の利用規約・宿泊同意書の提出が必要
「当日見せればいい」と思っていたら、事前の提出が必要だった、ということがないよう、予約のときに出し方まで確かめておきましょう。紙のコピーとスマホの写真の両方を持っておくと安心です。
ワクチンを打てない犬は
年齢や体質でワクチンを打てない犬もいます。軽井沢プリンスホテル ウエストの同意書には、接種していない場合はその理由を書き、猶予証明を見せる欄があります。アクアペンション クッチェッタも、体質上むずかしい場合は相談するよう案内しています。リロホテルズ&リゾーツも、シニア犬でワクチンを打てない場合についての質問をFAQに載せています。
ワクチンを打てない事情がある犬は、予約の前に宿に電話で聞くのが確実です。猶予証明が必要かどうかは、かかりつけの動物病院に相談してください。
実例で見る:頭数・大きさのルール
1室に泊まれる頭数は1頭から6匹まで
| 宿 | 1室の頭数・大きさ | 追加の料金(公式の案内) |
|---|---|---|
| 伊豆マリオットホテル修善寺 | 小型犬(10kg以下)1頭のみ | 1泊5,500円(税込) |
| ホテルリブマックス Dog×Stay | 小型犬(10kg未満)2頭まで | 1頭目はプラン料金に含む。2頭目から2,000円 |
| 軽井沢マリオットホテル | 客室のタイプにより、小型犬1頭から大型犬2頭まで | 1頭目5,500円、2頭目2,200円(税込、1泊) |
| 軽井沢プリンスホテル ウエスト | 3頭まで | 2頭目から1頭1泊5,000円 |
| アクアペンション クッチェッタ | 大型犬まで、3頭まで | 犬1頭2,200円(税込) |
| 休暇村富士 ペット同伴コテージ | 小・中型犬(一般的に25kg以下)、2頭まで | 1頭1泊2,200円、追加1頭1,100円(税込) |
| 松の浦別邸 | 超小型犬から超大型犬まで、1室6匹まで | 1匹5,500円(税込) |
同じ「犬と泊まれる宿」でも、小型犬1頭だけの部屋から、大型犬や6匹まで泊まれる宿まであります。多頭飼いの家庭や大型犬と泊まるときは、頭数と大きさの条件を最初に確かめるのが近道です。
「10kg以下」「10kg未満」は体重で決まる
小型犬の決め方は、宿によって「10kg以下」「10kg未満」のように体重で書かれていることが多くありました。犬種の名前では小型犬でも、体重が条件をこえると泊まれないことがあります。旅行の前に家で体重をはかっておきましょう。
泊まれない犬種を決めている宿もある
軽井沢マリオットホテルと伊豆マリオットホテル修善寺は、泊まれない犬種を27〜28種ほど一覧で示しています(秋田犬、土佐犬、ジャーマン・シェパード、ドーベルマンなど)。軽井沢プリンスホテル ウエストも「宿泊可能犬種一覧」を別紙で示し、松の浦別邸は、ピットブル、土佐犬、マスティフや、気性の激しい犬、しつけが十分でない犬は断るとしています。
犬種で決めているかどうかは、予約サイトの注意事項からはわかりにくいところです。大型犬や、一覧に入りやすい犬種と泊まるときは、公式サイトの一覧を必ず見ておきましょう。
年齢・体調の条件
頭数や大きさのほかに、年齢や体調の条件もよく書かれていました。
- 生後4か月以上:伊豆マリオットホテル修善寺、軽井沢プリンスホテル ウエスト、松の浦別邸
- 発情期(生理)・妊娠中ではない:星野リゾートの愛犬ルームは「生理中と生理後2週間以内、妊娠中は不可」。軽井沢プリンスホテル ウエストは「生理開始日から4週間以上たち、妊娠していないこと、滞在中に生理になる可能性がないこと」。松の浦別邸も発情期・妊娠中は不可
- ノミ・マダニの対策:軽井沢プリンスホテル ウエスト、松の浦別邸
- 基本的なしつけ:むだ吠え、飛びつき、物を壊すなどで迷惑をかけないこと(軽井沢プリンスホテル ウエストほか)
子犬との旅行を考えているときは、年齢の条件とワクチンの条件の両方に合うかを確かめましょう。
実例で見る:ケージ・留守番のルール
ケージは「場面ごと」に決められている
予約サイトの注意事項で「ケージの持参」が書かれていたのは0.8%でした。けれども公式の規約では、ケージのルールは次のように場面ごとに出てきます。
| 場面 | ルールの例(公式の案内より) |
|---|---|
| 夜、寝るとき | 軽井沢マリオットホテル・伊豆マリオットホテル修善寺は、備え付けのケージで寝かせる |
| 犬だけで部屋に残すとき | 軽井沢マリオットホテル・伊豆マリオットホテル修善寺・軽井沢プリンスホテル ウエストは、ケージに入れる |
| ロビーを通るとき | 伊豆マリオットホテル修善寺は、全身が入るクレートに入れる |
| 敷地内のバスに乗るとき | 軽井沢プリンスホテル ウエストは、クレートかケージに体全部を入れる。入らない犬は歩いて移動 |
| ケージの貸し出し | アクアペンション クッチェッタは貸し出しなし(置く場所はある)。休暇村富士のコテージは各棟にサークルを用意 |
ケージのルールが多いのは、慣れない部屋で犬が不安になって吠えたり、家具をかじったり、粗相をしたりするのを防ぐためです。犬にとっても、囲われた場所のほうが落ち着く場合があります。
「宿にケージがあるか」「自分で持っていく必要があるか」は宿しだいです。軽井沢マリオットホテルのように備え付けのケージを事前予約にしている宿もあります。ケージで寝るのに慣れていない犬は、旅行の前に家で練習しておくと、宿での夜が楽になります。
犬だけの留守番は「ケージで可」「残さない」に分かれる
夕食や大浴場で部屋を空けるときの扱いは、宿によって正反対のこともあります。
- ケージに入れれば残してよい:軽井沢マリオットホテル、伊豆マリオットホテル修善寺、軽井沢プリンスホテル ウエスト、星野リゾートの愛犬ルーム
- 犬だけを残さない:松の浦別邸は、食事や外出で犬だけを部屋に残さないよう求めている
- 食事の間は部屋で留守番:ホテルリブマックスのDog×Stayは、レストランへの同伴ができないため、食事の間は部屋で留守番
軽井沢プリンスホテル ウエストは、滞在中は無料で使えるドッグケアハウス(預かり)があり、犬だけで留守番しているときは客室の清掃をしないとしています。
留守番ができない犬なら、「犬だけを残さない」宿では、食事を部屋でとれるか、犬と一緒に食事ができるかを確かめておく必要があります。
食事処に一緒に行ける宿は少ない
予約サイトの注意事項で「食事処に同伴できる」と書かれていたのは、2,500軒中8軒(0.3%)でした。公式の規約でも、軽井沢マリオットホテルはドッグ対応コテージ以外のホテル施設に犬を連れて行けず、伊豆マリオットホテル修善寺もドッグフレンドリールームの外への同伴はできないとしています。
一方で、アクアペンション クッチェッタは、レストランへの同伴ができ、椅子に座らせるときは敷物を使うよう案内しています。犬と一緒に食事をしたいなら、同伴できることを明記している宿を選びましょう。
実例で見る:マナーベルト・ベッド・お風呂のルール
マナーベルト・おむつは「条件つき」が多い
予約サイトの注意事項でマナーベルト・おむつが書かれていたのは28軒(1.1%)でした。公式の規約では、
- 松の浦別邸:室内犬でトイレのしつけができていることが条件。マーキングの心配がある場合は、マナーベルトやおむつを着用
- ホテルリブマックス Dog×Stay:マナーベルト・マナーパンツがあれば安心、という案内。粗相をしたら飼い主がふき取り、スタッフに知らせる
のように、「必ず」ではなく「心配があれば」「あれば安心」という書き方が見られました。
ただし、ふだんはマーキングしない犬でも、慣れない場所ではすることがあります。宿で求められていなくても、マナーベルト・おむつを1つ持っていくと安心です。粗相の清掃費を別に請求する宿(松の浦別邸、アクアペンション クッチェッタ)もあります。
ベッド・ソファは「上げない」がほぼ共通
予約サイトの注意事項で「ベッド・ソファの禁止」が書かれていたのは8軒(0.3%)だけでした。けれども、公式の規約を読んだ宿の多くが、寝具やソファについて決めていました。
- 軽井沢マリオットホテル・伊豆マリオットホテル修善寺:寝具に寝かせない
- 軽井沢プリンスホテル ウエスト:寝具、ソファ、イスで寝かせない
- 松の浦別邸:寝具の上や中に入れたり乗せたりしない
- アクアペンション クッチェッタ:ベッド・ソファに乗せない。カバーやマットを敷いても不可
寝具やソファは、抜け毛やにおいが残りやすく、次に泊まるお客さんの中には犬のアレルギーがある人もいるかもしれません。そのため、予約サイトに書いていなくても、ベッドとソファには上げないのが基本と考えておきましょう。犬用の寝具やいつものマットを持っていくと、床でも落ち着いて眠れます。上げてよいと案内している宿だけ、例外です。
お風呂とシャンプー
- 伊豆マリオットホテル修善寺:事前にシャンプーをすませてくる。客室の浴室で犬を入浴させない
- 軽井沢プリンスホテル ウエスト:客室・足洗い場・お風呂場で、シャンプー・トリミング・ブラッシングをしない。散歩のあと部屋に入るときは足洗い場を使う
- アクアペンション クッチェッタ:浴室に犬を入れない
- 星野リゾートの愛犬ルーム:客室でシャンプー・トリミング・ブラッシングをしない。排泄は客室内のトイレで
抜け毛を残さないよう、旅行の前に家でシャンプーとブラッシングをすませておくのが、多くの宿で喜ばれる準備です。
損害と事故の扱い
どの宿の規約にも、犬が物を壊したり、人をかんだりしたときの扱いが書かれていました。軽井沢マリオットホテルは、施設の破損やかみつき事故などの損害は賠償してもらうとしています。軽井沢プリンスホテル ウエストも、犬が原因の損害は賠償してもらうとし、犬が原因のお客さん同士のトラブルには責任を負わないとしています。
宿で犬がけがをしたときに、宿が責任を負わないと書いている規約もあります。旅行の前に、自分の入っている保険(ペット保険や個人賠償責任保険など)で何がカバーされるかを確かめておくと安心です。
実例で見る:ルールを守れなかったときと、当日の流れ
守れなかったときにどうなるか
規約には、ルールを守れなかったときの扱いも書かれています。
- 軽井沢プリンスホテル ウエストは、申し込み内容にうそがあったり、確認事項に違反したりした場合は、犬と一緒の宿泊を断ることがあるとしています。違反やほかのお客さんへの危害があったときは、犬が棟内に泊まるのを禁止し、滞在中はドッグケアハウスで預かることがあり、その費用はお客さんの負担です
- 松の浦別邸、アクアペンション クッチェッタは、粗相をしたときの清掃にかかった費用を別に請求するとしています
- ホテルリブマックスのDog×Stayは、粗相をしたら飼い主がふき取り、スタッフに知らせるよう求めています
「知らなかった」では済まないこともあるので、予約の前に規約を読み、わからないところは聞いておくことが、いちばんのトラブル防止になります。粗相などをしてしまったら、隠さずにすぐ宿の人に伝えましょう。
チェックインの日にあること
規約や同意書を読むと、チェックインの日には次のようなことがあると想定しておくとよさそうです。
- 同意書を書く・出す:事前に送る宿と、当日書く宿があります。休暇村富士のコテージ、軽井沢プリンスホテル ウエストは同意書の提出が必要です
- 証明書を見せる:コピーや写真でよいかは宿によります
- 犬の料金を払う:星野リゾートの愛犬ルームは、犬の料金をチェックインのときに精算するとしています
- 敷地内のルールの説明を受ける:軽井沢プリンスホテル ウエストは、敷地内を散歩するときに、宿泊している証明としてお散歩ストラップをリードやバッグにつけるよう決めています
- 部屋に入る前に足をきれいにする:足洗い場を使うよう決めている宿もあります
チェックインの前に散歩とトイレをすませておくと、手続きの間も犬が落ち着きやすくなります。
犬のタイプ別:先に確かめたいルール
同じルールでも、犬によって「関係あるところ」が違います。ここまでの実例をもとに、犬のタイプごとに先に確かめたいことを整理しました。
| 犬のタイプ | 先に確かめたいルール |
|---|---|
| 子犬 | 年齢の下限(生後4か月以上など)、ワクチン接種後の期間 |
| シニア犬 | ワクチンを打てない場合の扱い(猶予証明・相談)、留守番のルール |
| 大型犬 | 体重・犬種の条件、泊まれる部屋のタイプ、敷地内の移動のしかた |
| 多頭飼い | 1室の頭数、2頭目からの料金、ケージやサークルの数 |
| マーキングしやすい犬 | マナーベルト・おむつの決まり、粗相の清掃費 |
| 留守番が苦手な犬 | 犬だけを残せるか、食事に同伴できるか、預かりの有無 |
| 女の子 | 生理中・生理後の期間の決まり(2週間、4週間など)、妊娠中の扱い |
子犬
子犬は、宿の「年齢の下限」と「ワクチンの期間」の2つに引っかかりやすくなります。実例では生後4か月以上を条件にする宿が多く、ワクチンも接種から2週間以上たっていることを求める宿がありました。はじめての旅行は、ワクチンのスケジュールが終わってから計画するのが無理がありません。
シニア犬
体の状態によってはワクチンを打てないことがあります。猶予証明で受け入れる宿、相談に応じる宿がある一方、条件をはっきり決めている宿もあります。予約の前に電話で聞いておきましょう。慣れない場所で夜鳴きをしやすい子は、犬だけで留守番させない計画にしておくと安心です。
大型犬
体重で「小型犬のみ」と決めている部屋は少なくありません。軽井沢マリオットホテルのように、部屋のタイプで大型犬が泊まれるかが変わる宿もあります。犬種の一覧も見ておきましょう。
多頭飼い
頭数の上限に加えて、2頭目からの料金が1頭目と違う宿がありました(軽井沢マリオットホテルは2頭目2,200円、休暇村富士は追加1頭1,100円など)。ケージやサークルが1頭分しか用意されていないこともあるので、足りない分は持っていきましょう。
予約の前に準備すること
宿のルールを確かめる順番
ここまでの実例をふまえると、宿のルールは次の順番で確かめると、見落としが少なくなります。
- 頭数・大きさ・犬種:泊まれるかどうかがここで決まる
- ワクチン:種類(5種以上か)、接種からの期間(2週間以上1年未満か)、証明書の出し方(事前か当日か)
- 年齢・体調:生後4か月以上か、発情期・妊娠中でないか、ノミ・マダニの対策
- 留守番とケージ:犬だけで残せるか、ケージは宿にあるか、持っていくか
- 食事:犬と一緒に食事ができるか、部屋で待つか
- 持っていくもの:マナーベルト・おむつ、ケージ、フード、寝具など
書類を1つのフォルダにまとめる
- 混合ワクチンの接種証明書(何種か、接種日がわかるもの)
- 狂犬病予防注射済証、または注射済票
- 猶予証明(ワクチンを打てない事情がある場合)
- 宿の同意書(事前に書いて送る宿、当日書く宿がある)
紙のコピーをクリアファイルに入れ、スマホにも写真を保存しておくと、事前の提出にも当日の提示にも使えます。
予約のときに聞くこと(電話・問い合わせフォームで)
- 「何kgの〇〇(犬種)を〇頭連れて行きたいのですが、泊まれますか」
- 「ワクチンの証明書は、いつまでに、どうやって出せばよいですか」
- 「夕食のとき、犬は部屋で待たせてよいですか。ケージはありますか」
- 「マナーベルトは必要ですか。粗相をしたときはどうすればよいですか」
聞いたことは、予約の確認メールなどと一緒にメモしておきましょう。
条件に合わなかったときは
行きたい宿の条件に、どうしても合わないこともあります。そんなときは、無理に合わせようとせず、次の方法を考えましょう。
- 条件のちがう宿を探す:頭数・体重・ワクチンの期間は宿によって大きく違います。同じエリアでも、条件の合う宿が見つかることがあります
- 部屋のタイプを変える:同じ宿でも、部屋によって泊まれる犬の大きさや頭数が違うことがあります
- 時期をずらす:ワクチンの接種から2週間がたっていない、生理の期間に重なる、などのときは、日程を変えるのがいちばん確実です
- 犬は預けて出かける:旅先の条件が合わないときは、近くのペットホテルに預ける方法もあります
申告をごまかして泊まると、規約違反として宿泊を断られたり、ほかの犬とのトラブルの原因になったりします。条件はそのまま正直に伝えましょう。
よくある質問
Q犬と泊まれる宿では、ワクチンの証明書は必ずいりますか?
宿によります。犬ふぁんの集計では、楽天トラベルの注意事項にワクチンの証明について書いている宿は2,500軒中5.1%でしたが、公式サイトの規約では、証明書を求める宿がほとんどでした。持っていくのが安心です。
Q3種混合ワクチンでも泊まれますか?
宿によります。公式の規約を確かめた宿では「5種以上」を条件にするところが多く、リロホテルズ&リゾーツは3種のみでは利用できないとしています。予約の前に宿に確かめてください。
Qワクチンを打ったばかりでも泊まれますか?
「接種後2週間以上」を条件にしている宿がいくつもありました。旅行の日に2週間がたっているか、証明書の日付で確かめましょう。期間の上限も、1年未満の宿と3年未満の宿(星野リゾートの愛犬ルーム)があります。
Q多頭飼いでも泊まれる宿はありますか?
あります。公式の規約では、1室3頭まで、6匹まで、という宿もありました。一方で小型犬1頭だけの部屋もあるので、頭数は最初に確かめてください。
Qケージは持っていったほうがいいですか?
宿に備え付けがあるか、予約が必要かを確かめましょう。ケージの貸し出しがない宿もあります。ケージで寝る、留守番はケージで、という宿も多いので、ふだん使っているクレートがあれば持っていくと安心です。
Qベッドに犬を上げてもいいですか?
上げないのが基本です。規約を確かめた宿の多くが、寝具やソファに犬を乗せないよう決めていました。上げてよいと案内している宿だけ、例外と考えてください。
参考にした情報
- 軽井沢マリオットホテル「愛犬とのご宿泊に際しての注意事項」
- 伊豆マリオットホテル修善寺「ドッグフレンドリールーム利用規約」
- 軽井沢プリンスホテル ウエスト「ペット同伴宿泊滞在同意書(ドッグコテージ)」PDF
- 松の浦別邸「ペットと泊まる」
- アクアペンション クッチェッタ「ペットと泊まる」
- 厚生労働省「犬の登録と狂犬病予防注射について」
- 神戸市「狂犬病予防注射の制度が変わります(2027年3月2日から)」
- 星野リゾート「愛犬ルーム利用規約」
- 休暇村富士「コテージ」(ペット同伴コテージの条件)
- ホテルリブマックス「Dog×Stayプラン」
- リロホテルズ&リゾーツ「愛犬との旅行について」
- 犬ふぁん 犬と泊まれる宿のデータ(楽天トラベルに載っている宿2,500軒の公開情報、2026年10月10日時点)
内容は2026年10月に確かめたものです。料金や条件は変わることがあるので、予約の前に各宿の公式サイトで確かめてください。
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