まず結論:はじめてでも、成犬でも大丈夫。1回目は「体験」から始める
しつけ教室は、はじめての人でも、子犬を過ぎた成犬やシニア犬でも通えます。不安なのは「何をするのかわからない」ことなので、先に流れを知っておくと気が楽になります。
- 何歳からでも通える。 子犬は、ワクチンや狂犬病の予防注射が済んでいることが条件になっていることが多く、自治体の教室では「生後4か月以上」という例がありました。成犬・シニア犬向けのクラスや個別レッスンもあります
- 1回目は、体験やカウンセリングから。 困りごとを話し、犬の様子を見てもらい、飼い主がやってみて、家での宿題をもらう。この流れが多いです
- 教わるのは犬より飼い主。 教室にいるのは週1回ほど。身につくかは、家で毎日短く続けられるかで決まります
- 回数は「目標が1つかなうまで」。 はじめは少ない回数で始め、3〜4回通ったら振り返ります
- 持ち物は、ふだんのリード・小さく切ったおやつ・水・トイレ用品・証明書・困っている場面の動画。
次にすることは、近くの教室に「体験はできますか」と聞いて、日にちを決めることです。教室をどう選ぶか(登録の見方、教え方の見分け方)はしつけ教室の選び方、子犬がいつから行けるかはパピー教室の記事にまとめています。
しつけ教室では、何をするの?
しつけ教室というと「犬を訓練してもらう場所」と思われがちですが、多くの教室では、飼い主が犬への教え方を教わる場所です。トレーナーがやってみせ、飼い主がやってみて、うまくいかないところを直してもらいます。
形によって、1回の中身は次のように違います。
| 形 | 1回でやること | はじめての人に向くとき |
|---|---|---|
| グループレッスン | 何頭かの犬と飼い主がいっしょに、「おすわり」「まて」「おいで」やリードで歩く練習をする。ほかの犬がいる中で落ち着く練習にもなる | とくに大きな困りごとはなく、基本を楽しく覚えたい |
| 個別レッスン | トレーナーと1対1で、その子の困りごとに合わせて練習する | 引っ張り・吠えなど、困りごとがはっきりしている。ほかの犬が苦手 |
| 出張レッスン | 家やふだんの散歩道に来てもらい、困る場面そのもので練習する | 来客やインターホンへの吠えなど、家の中で起きる困りごと |
| 自治体の教室 | 犬の習性や飼い方の話(学科)と、基本の動作の練習(実技) | まず基本の考え方を知りたい。費用をおさえたい |
たとえば長野県上田保健福祉事務所の教室は、学科1回と実技5回で、実技では「あるく」「おすわり」「ふせ」「まて」などを練習する内容でした(公式ページより)。
どの形でも、最後に「家でこれを続けてください」という宿題が出ることが多いです。宿題の出し方が具体的か(いつ・何を・何回)は、教室を選ぶときにも見たいところです。
成犬・シニア・迎えたばかりの保護犬でも通える?
成犬から通っても遅くない
「子犬のうちに行かなかったから、もう遅い」と思う人もいますが、成犬になってから通う人もたくさんいます。散歩で引っ張る、ほかの犬に吠える、呼んでも来ないなど、困りごとがはっきりしてから行くほうが、何を練習するかが決めやすいこともあります。
慣れるまでの時間には個体差があります。ほかの犬と比べず、その子のペースで進めましょう。
シニア犬は、体に負担の少ない形で
シニア犬は、短い時間の個別レッスンや、家での練習のアドバイスが中心になります。休みながらできるか、床がすべらないかを確かめます。年を重ねて急に行動が変わったときは、体の不調が関係していることもあるので、先に動物病院に相談してください。
迎えたばかりの犬は、まず家に慣れてから
保護犬や、大人になってから迎えた犬は、まず新しい家での暮らしに慣れることが先です。家で落ち着いて過ごせるようになってから、個別レッスンで相談すると、その子の性格に合わせた進め方を考えてもらえます。
子犬は「条件」を先に見る
子犬向けの教室は、ワクチンの回数や狂犬病の予防注射、月齢の上限など、参加の条件が決まっていることがほとんどです。自治体の例では、長野市保健所動物愛護センターの教室が「登録と狂犬病予防注射が済み、5種以上のワクチンを2回以上受けた生後4か月以上の健康な犬」を対象にしていました(公式ページより)。子犬がいつから行けるか、確かめる順番はパピー教室の記事にあります。
はじめて通うまでの流れ
- 目標を1つ決める。 「散歩で引っ張らない」「来客で吠え続けない」「ほかの犬に慣れる」など。目標がはっきりすると、形も選びやすくなります
- 近くの教室を探して、問い合わせる。 体験ができるか、参加の条件(年齢・ワクチンの証明)、費用を聞きます
- 体験(またはカウンセリング)に行く。 次の章の流れで進みます
- 少ない回数で申し込む。 合わなかったときに変えやすくなります。料金は回数や入会金を足した合計で考えます
- 通いながら、家で続ける。
- 3〜4回で振り返る。
電話で何を聞けばいいか、教室の見分け方はしつけ教室の選び方にまとめています。
しつけ教室(動物取扱業の登録の情報がある教室)
大阪府の117か所
- 大阪動植物海洋専門学校大阪府大阪市大正区
- 大阪ペピイ動物看護専門学校大阪府大阪市東成区
- アリア~スクール&サロン~大阪府大阪市平野区
- シマティー ドッグ オフィス大阪府大阪市東住吉区
- ペットショップ・サン大阪府大阪市西成区
- 帝塚山ショードッグ&しつけスクール大阪府大阪市阿倍野区
いる場所の近くでも探せます。
一覧から探す →1回目(体験)の流れ
教室によって違いますが、はじめての日はおおむね次のように進みます。
1. 困りごとを話す
いつ、どこで、どんなふうに困っているかを聞かれます。うまく話せる自信がなければ、メモを持っていきましょう。散歩中の吠えなど教室で再現できないことは、スマホの動画があると話が早くなります。
2. 犬の様子を見てもらう
はじめての場所で、犬がどのくらい緊張しているか、おやつを食べられるか、名前を呼ぶと振り向くかなどを見てもらいます。においをかぎ回ったり、落ち着かなかったりしても、はじめての場所ではふつうのことです。
3. トレーナーがやってみせる
たとえば「名前を呼んで、こちらを見たらほめる」のような、簡単なことから始まることが多いです。どのタイミングでおやつをあげるか、声のかけ方などを見せてもらいます。
4. 飼い主がやってみる
いちばん大事な時間です。リードを持って、教わったとおりにやってみます。うまくいかなくて当たり前なので、わからないところはその場で聞きましょう。
5. 宿題をもらう
「毎日5分、名前で振り向いたらほめるを10回」のように、家でやることを教わります。メモやスマホで残し、家族にも伝えます。
その場で聞いておくとよいこと
- うちの子の目標まで、どのくらいの回数を見込んでおけばいいか
- 家での練習で、やってはいけないことはあるか
- 次の回までにうまくいかなかったら、どう相談すればいいか
- 家族の別の人が連れてきてもいいか
持ち物と、前の日・当日の準備
持ち物
- ふだん使っている首輪かハーネスとリード(新しい道具は、教室で相談してから)
- ごほうび用のおやつ(小さく切ったもの。犬がとくに好きなもの)
- 水と器
- うんち袋、トイレシート、ティッシュ
- ワクチンや狂犬病予防注射の証明書(何が要るかは事前に聞く)
- 子犬や小型犬ならキャリーやクレート
- 困りごとのメモと、困っている場面の動画
前の日・当日にしておくこと
- ごはんの量や時間を少しずらす:おなかいっぱいだと、おやつで練習しにくくなります。体調に合わせて無理のない範囲で
- 着く前にトイレと短い散歩:落ち着いて始めやすくなります
- 早めに着く:はじめての場所のにおいをかぐ時間をとると、犬も緊張がほぐれます
- 体調が悪いときは休む:下痢や咳などが気になるときは、無理に参加せず教室に連絡します。体調のことは動物病院に相談してください
車やキャリーで行くなら、移動に慣れておくと当日が楽になります。キャリーが苦手な子はキャリーに慣らす方法を先に試しておきましょう。
通い始めてから:家で続けるコツと、振り返り
家での練習は「短く、何回にも分けて」
教室で教わったことは、家で1回5分ほどを、1日に何回かに分けて続けるのがコツです。
- 静かな部屋で、できることから始める
- できたらすぐにほめる(おやつ・声・なでる)
- 少しずつ、テレビの音がする部屋や玄関、家の前など、気が散る場所でもやってみる
- 家族みんなで、同じ言葉・同じ合図を使う
うまくいかない日は、簡単にできることで終わらせて、ほめて切り上げます。
3〜4回通ったら振り返る
次のことを書き出すと、続けるか、形を変えるかを決めやすくなります。
| 見ること | 続けてよさそう | 見直したい |
|---|---|---|
| 家での練習 | 毎日少しでも続けられている | 宿題が多すぎて続かない |
| 犬の様子 | 教室に行くのを嫌がらない | 教室の前で動かない、震える |
| できるようになったこと | 小さくても1つはある | 何も変わらない |
| 教わり方 | 理由がわかり、家でも同じようにできる | 教室ではできるが、家ではできない |
見直したいことが多いときは、まずトレーナーに相談してやり方を変えてもらいます。それでも合わなければ、グループから個別へ、通いから出張へ、など形を変えてもかまいません。
教室で練習したことが役立つ場面
しつけ教室で練習する「呼んだら戻る」「ほかの犬に飛びかからない」「落ち着いて待つ」は、犬といっしょにおでかけするときに求められることでもあります。
犬ふぁんで公式ページの規約まで確かめたドッグラン(主に自治体・公園の公営ドッグラン)のうち、「入れない犬」の決まりがわかる23か所では、
- 攻撃的な犬、かみ癖のある犬は入れない:23か所中19か所
- しつけができていない犬、飼い主が制御できない犬は入れない:23か所中12か所
という決まりがありました。また、登録の決まりがわかる207か所のうち5か所は、登録のときに講習会や説明会への参加を求めていました。
ドッグランにデビューしたいなら、教室で「おいで」を練習しておくと安心です。手順ははじめてのドッグランにあります。
困りごと別の家での練習は、次の記事も参考になります。
- 散歩で引っ張る子:散歩で引っ張る犬の練習方法
- ほかの犬に吠える子:ほかの犬に吠える子の散歩の工夫
- 吠えが気になる子:無駄吠えの理由と対策
- 子犬の甘がみ:甘噛みのしつけはいつから?
よくある質問
Qしつけ教室では何をしますか?
多くの教室では、飼い主が犬への教え方を教わります。トレーナーがやってみせ、飼い主がやってみて、うまくいかないところを直してもらい、家での宿題をもらう流れです。グループ・個別・出張で、練習する場所や相手が変わります。
Q成犬になってからでも通えますか?
通えます。困りごとがはっきりしてから通う人も多く、成犬向けのクラスや個別レッスンがあります。慣れるまでの時間には個体差があるので、その子のペースで進めましょう。
Q何回くらい通えばいいですか?
目標や犬によって違うので、体験のときにトレーナーに目安を聞きましょう。はじめは少ない回数で申し込み、3〜4回通ったら、できるようになったことと続けられているかを振り返るのがおすすめです。
Qはじめての日は何を持っていけばいいですか?
ふだんのリード、小さく切ったおやつ、水、トイレ用品、ワクチンなどの証明書(必要なもの)、困りごとのメモと動画です。子犬や小型犬ならキャリーもあると安心です。
Q当日、犬が落ち着かなかったらどうすればいいですか?
はじめての場所で落ち着かないのはふつうのことです。早めに着いてにおいをかぐ時間をとり、トレーナーに相談しながら進めましょう。体調が悪そうなときは無理をせず休んでください。
Q家族のだれが通えばいいですか?
ふだん世話をする人が通うのがいちばんです。できれば家族みんなで参加するか、宿題をメモやメッセージで共有して、同じ言葉・同じ合図を使いましょう。
参考にした情報
- 犬ふぁん 施設データの集計(ドッグランの利用ルール。公式ページで規約まで確かめた主に公営のドッグラン。2026年10月10日時点)
- 長野市「愛犬の正しい飼い方しつけ方教室」(市保健所動物愛護センター) https://www.city.nagano.nagano.jp/n107000/koho/koho_00036.html
- 長野県上田保健福祉事務所「犬のしつけ方教室」 https://www.pref.nagano.lg.jp/uedaho/dobutsu/inunoshitukekatakyoushitu.html
(いずれも2026年10月に確認)
この記事に関係する施設を探す
いる場所の近くで探す