まず結論:国内線の犬は「貨物室に預ける」。客室で一緒に乗れるのはスターフライヤーだけ
はじめて犬と飛行機に乗るなら、先に知っておきたいのは次の5つです(2026年10月に各社の公式サイトで確認)。
- ANA・JALの国内線では、犬は客室に持ち込めない。 預けて、貨物室で運んでもらいます
- 料金は1区間あたり、ANAは税込6,600円(一部路線4,400円)、JALは5,500〜7,700円。 人の航空券とは別で、往復なら2回かかります
- 短頭種は会社によって扱いが違う。 ANAは毎年5月1日〜10月31日、パグやシーズーなど13犬種を預かりません。JALはブルドッグとフレンチ・ブルドッグを一年中預かりません
- 大型犬には重さの上限がある。 ANAはケージと犬で45kgをこえると預けられず、JALは32kg以上だと手荷物ではなく貨物の扱いになります
- 客室で一緒に乗りたいなら、スターフライヤーの「FLY WITH PET!」。 小型の犬と猫が対象で、1区間1匹50,000円です
次にすることは、乗る会社の条件に犬が当てはまるかを確かめ、航空券を買ったらすぐにペットの予約(ANAは前日まで)をすることです。ケージに長く入る練習は、出発の数週間前から始めます。
まず決める:うちの子は飛行機で行ける?
飛行機は、犬にとって「暗くて音の大きい場所で、ひとりで過ごす時間」です。ANAは、飛行中の貨物室は照明が消えて暗くなり、エンジンや風を切る音が聞こえると案内しています。JALは、気圧が0.8気圧(2,000mの山頂と同じくらい)になるとしています。
| 犬の様子 | 考え方 |
|---|---|
| ケージで長く落ち着いていられる、健康な成犬 | 預けて乗れる。暑い時間帯の便を避ける |
| パグ・シーズーなどの短頭種 | ANAは5〜10月は預けられない。JALはブルドッグ・フレンチ・ブルドッグは通年不可。冬に行くか、別の移動手段を |
| 子犬 | ANAは生後4か月未満、JALは生後8週未満は預けられない |
| シニア犬、暑さ寒さに弱い子 | 両社とも、体調によっては断ることがあると案内。かかりつけの獣医師に相談してから |
| ケージが苦手、暗い場所で不安になる子 | 飛行機以外の方法も考える |
| 大型犬 | ケージと合わせた重さを先に量る。ANAは32〜45kgだと預かれないことがあり、45kg超は不可 |
両社とも、次のような様子のときは預かりを断ることがあるとしています。元気がない、呼吸が荒い、ふらついている、ひどく緊張して震えている、パニックで吠え続けている、などです。当日の朝の様子がいつもと違うときは、無理に乗せないことも大切です。
ANAは、鎮静剤を使っている動物、妊娠中の動物、心臓や呼吸器の病気がある動物も預からないとしています。鎮静剤などについて迷うときは、自分で判断せず、かかりつけの動物病院に相談してください。
犬ふぁんパグの大きさ・お手入れと行ける場所鼻が短い犬種で、暑さと呼吸に注意が必要です。夏の外出は朝夕の涼しい時間に。犬種図鑑
犬ふぁんフレンチ・ブルドッグの大きさ・お手入れと行ける場所鼻が短い犬種で、暑さにとても弱いです。体重で中型犬として扱われることが多いので、宿やホテルの条件を確かめましょう。犬種図鑑ANAとJALのちがい
どちらも「預けて貨物室へ」は同じですが、料金や短頭種の扱い、カウンターに行く時間が違います。
| 見るところ | ANA | JAL |
|---|---|---|
| 料金(ケージ1個) | 1路線 税込6,600円(北海道内・一部の離島路線は4,400円) | 1区間 5,500〜7,700円(路線・搭乗日で違う) |
| 客室への持ち込み | 不可 | 不可 |
| 短頭種 | 5月1日〜10月31日は13犬種を預からない | ブルドッグ・フレンチ・ブルドッグは通年不可 |
| 預けられる年齢 | 生後4か月から | 生後8週間から |
| 狂犬病の予防注射 | 1年以内に受けておく | 法令にもとづいて受けている |
| ペットの予約・支払い | 前日までに予約(ウェブか電話) | 前日正午までに事前支払いができる(クレジットカード) |
| カウンターに行く時間 | 早めに(ふつうより時間がかかる) | 出発の40分前まで |
| 重さ | ケージと犬で32〜45kgは預かれないことがあり、45kg超は不可 | ケージと犬で32kg以上は貨物の扱い(JAC・HAC・RACの便は45kgまで) |
ANAで預けない短頭種は、ブルドッグ、フレンチ・ブルドッグ、ボクサー、シーズー、ボストン・テリア、ブル・テリア、キングチャールズ・スパニエル、チベタン・スパニエル、ブリュッセル・グリフォン、チャウチャウ、パグ、チン、ペキニーズの13犬種です。JALは、パグ・チン・ボストン・テリアなどほかの短頭種は預けられるとしていますが、夏は「暑さに弱い子犬・高齢犬・短頭犬種は時期や時間に十分気をつけて」と案内しています。
料金の目安
| 旅のしかた | ANA | JAL |
|---|---|---|
| 片道(1頭) | 6,600円 | 5,500〜7,700円 |
| 往復(1頭) | 13,200円 | 11,000〜15,400円 |
| 往復(2頭。ケージ2個) | 26,400円 | 22,000〜30,800円 |
ANAは、乗りつぎでも出発地から最終の到着地までを1路線として数えるのが原則です。ただし予約番号が分かれているとき(2回に分けて予約したときなど)や、日本エアコミューター・天草エアラインの便が入るときは、別の路線として料金がかかります。
両社とも、1つのケージには原則1匹です。犬どうしのけがを防ぐためで、2頭ならケージも料金も2つ分になります。
客室で一緒に乗りたいなら:スターフライヤー
スターフライヤーは、小型の犬と猫を客室に連れて乗れる「FLY WITH PET!」を、国内線の全便で行っています。おもな条件は次のとおりです。
- 料金は1区間1匹50,000円(人の航空券は別)。支払いはクレジットカードだけ
- ケージは高さ75cm×横幅43cm×長さ55cm以内。ほかにも形の条件があります
- 1便に2匹まで、1人1匹まで。予約は乗る日の2日前まで
- 狂犬病の予防注射と、3種以上の混合ワクチンを受けたことが、証明書などで確かめられること
- ペット用のおむつ(マナーウエア)をつける。空港の建物の中ではケージから出せない
- 席は原則いちばん後ろの列の窓側。出発の1時間30分前を目安にカウンターへ
費用は高めですが、「どうしても貨物室に預けたくない」小型犬の飼い主さんには選択肢になります。スターフライヤーの飛ぶ路線に旅先が合うか、先に確かめてください。
ケージを用意する
自分のケージを使うとき
ANA・JALとも、国際航空運送協会(IATA)の基準に合ったケージを求めています。両社の案内をまとめると、次の条件です。
- 硬いプラスチックや木など、じょうぶで水がもれないつくり(JALは、やわらかいケージや折りたたみ式は受け付けない)
- じょうぶな屋根があり、空気がよく通る
- 外から鍵がかけられ、犬が出られない
- 車輪は外せるか、固定できる
- 犬が立つ、座る、横になる、向きを変えられる広さ
持っていったケージが安全に使えないと判断されると、会社のケージを借りることになります(JALは、借りられないと便の変更になることがあります)。
借りるとき(ANAの大きさ)
| サイズ | 目安の犬 | 大きさ(幅×奥行×高さ) |
|---|---|---|
| S | チワワ、マルチーズ、ポメラニアンなど | 40×55×40cm |
| M | ビーグル、コーギー、コッカー・スパニエルなど | 46×66×50cm |
| L | ボクサー、エアデールテリア、ウィペットなど | 55×80×60cm |
| LL | シェパード、レトリバー、ドーベルマンなど | 65×95×70cm |
ANAの貸し出しケージの重さは、S 2.5kg、M 5.2kg、L 6.9kg、LL 8.7kgです。予約のときは、犬とケージを合わせた重さを伝えます。LLは数が少ないので事前に電話で申し込み、小型機(DH4、CR7)の便ではLLを預けられません。
JALもS・M・L・XLの4つの大きさを用意しています。L・XLは数に限りがあるので、事前に申し込みます。
ケージに入れるもの・入れないもの
- 給水器:受け皿ではなく、ケージにしっかり取りつけるもの。JALは、旅程が12時間以上なら必ず取りつけるよう案内しています
- 吸水シート:汚れが外にもれないように
- においのついたタオル:JALは、ふだんの匂いが残るタオルなどと一緒に預けられるとしています
- 入れないもの:おもちゃ(飲みこむおそれ)。リードは必ず外す(ANA)
預けたあとは、係員がごはんや水をあげることは基本的にありません(JALは、乗りつぎの時間が長いときは、預けるときに申し出れば与えられるとしています)。ANAは、5〜10月はケージを二重にしたりカバーをかけたりして預けられない(風通しが悪くなるため)としています。
予約から到着までの流れ
| いつ | すること |
|---|---|
| 航空券を買う前 | 乗る会社の条件(犬種・年齢・重さ)に当てはまるか確かめる。夏は暑い時間帯を避けた便を選ぶ |
| 航空券を買ったら | ペットの予約をする(ANAは前日まで、ウェブか電話。取り消しは電話のみ) |
| 出発の数週間前 | ケージに長く入る練習。ケージの条件を確かめる。気になるときはかかりつけの獣医師に相談 |
| 出発の前日まで | 同意書(ANA)や確認書(JAL)を印刷して書く。JALは前日正午までに料金を払っておくと手続きが早い |
| 当日の家で | ごはんは早めに、量はほどほどに。散歩とトイレ |
| 空港で | ANAは早めに、JALは出発の40分前までにカウンターへ。預ける直前にもう一度トイレ |
| 到着後 | 係員から直接受け取る。静かな場所で休ませる |
貨物室の広さには限りがあり、ほかの荷物が多いと預かれず、便の変更をお願いされることがあります。日程が決まったら、早めに予約しましょう。
乗りつぎで間隔が長いときは、乗りつぎの空港でいったん受け取ってもう一度預けることがあります(ANAは2時間以上あくとき)。
夏と冬に気をつけること
両社とも、貨物室は空調で温度と湿度を管理しているものの、外の気温の影響で客室と環境が違うことがあり、夏は高温になることもあると案内しています。飛行機への積みおろしは屋外の作業です。
夏(5月1日〜10月31日)
- 日中の暑い時間帯の便を避ける(両社とも、そうすすめています)
- 預ける前に、水をしっかり飲ませる(JAL)
- ケージに保冷剤や給水器を取りつけるサービスがある(ANA。給水器は数に限りがあるので自分でも用意)
- クールマットなど暑さ対策のグッズを用意する
冬
- 地域によっては外の気温が0度を下回ります(JAL)。毛布やペット用カイロなど、寒さ対策を(ANA)
- 雪の多い空港では遅れや欠航もあるので、旅先の宿や移動に余裕をもたせる
到着後は、なるべく静かに休ませましょう。いつもと様子が違うとき(ごはんを食べない、吐く、下痢をしている、呼吸が荒い など)は、近くの動物病院に相談してください。
着いた先で:宿と移動
飛行機で行く旅先として多い沖縄と北海道は、犬と泊まれる宿の料金が全国より手ごろな一方、宿にドッグランがあるところは少なめです(楽天トラベルに載っている犬と泊まれる宿の集計、2026年10月10日時点)。
- 沖縄県(88軒)2.3%5,940円
- 北海道(131軒)1.5%6,600円
- 全国(2,500軒)9.4%8,900円
- 飛行機代と犬の料金がかかるぶん、宿代はおさえやすい地域です
- 犬を走らせたいなら、宿の外のドッグランや公園も先に調べておきましょう
- 空港から宿まではレンタカーが便利です。ペットを乗せてよい車か、ケージが要るかをレンタカー会社に確かめます
宿選びから当日の過ごし方までははじめての犬連れ旅行、持ち物は犬の旅行の持ち物リストにまとめています。
よくある質問
Q小型犬なら、ANAやJALの客室に一緒に乗れますか?
乗れません。ANA・JALの国内線では、犬は客室に持ち込めず、預けて貨物室で運びます。客室で一緒に乗れるのは、スターフライヤーの「FLY WITH PET!」(1区間1匹50,000円、小型の犬と猫)です。
Q犬を飛行機に預ける料金はいくらですか?
ANAは1路線あたり税込6,600円(北海道内と一部の離島路線は4,400円)、JALは1区間あたり5,500〜7,700円です。人の航空券とは別で、往復なら2回かかります。
Qフレンチ・ブルドッグやパグは飛行機に乗れますか?
ANAは5月1日〜10月31日、フレンチ・ブルドッグやパグなど13犬種を預かりません。JALはブルドッグとフレンチ・ブルドッグを一年中預からず、パグなどほかの短頭種は預けられます。夏は暑さの影響を受けやすいので、時期や時間帯に気をつけてください。
Q大型犬でも預けられますか?
ANAは、ケージと犬を合わせて32〜45kgだと預かれないことがあり、45kgをこえると預けられません。JALは、32kg以上だと手荷物ではなく貨物の扱いになります。予約の前に電話で確かめましょう。
Qペットの予約はいつまでにすればいいですか?
ANAは乗る日の前日までです。JALは前日正午までに料金を払っておくと当日の手続きが早くなり、当日は出発の40分前までにカウンターへ行きます。スターフライヤーの客室同伴は2日前までの予約です。
Q海外へ犬を連れて行くときも同じですか?
国際線は、航空会社の条件に加えて、出国・入国の検疫の手続きが必要です。早めに農林水産省の動物検疫所と航空会社に確かめてください。
参考にした情報
- ANA「ペットをお連れのお客様(国内線)」
- JAL「国内線 ペットとおでかけサービス」
- スターフライヤー「FLY WITH PET!」
- 犬ふぁん 施設データの集計(犬と泊まれる宿2,500軒。楽天トラベルに載っている宿の公開情報、2026年10月10日時点)
(いずれも2026年10月に確認。料金や条件は変わることがあるので、予約の前に各社の公式サイトで確かめてください)
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