まず結論:1年で平均約41万円、月にすると約3.4万円。迎えるときは手続きと病院と道具
犬を飼うお金は、「迎えるときに1回だけ」「毎月」「年に1回・ときどき」の3つに分けると見積もりやすくなります。目安になる数字は次のとおりです。
この数字をもとに、近くで探す
- 迎えるとき:法律で決まった手続き(登録・狂犬病の予防注射)、最初の動物病院、ケージなどの道具、迎える費用。登録の手数料は横浜市で3,000円、マイクロチップの変更登録はオンラインで400円です
- 毎月:いちばん大きいのはフード・おやつで、1年の平均80,029円(月約6,700円)。トリミング、ペット保険、増えた光熱費を足すと、毎月出ていくお金だけで月1.8万円ほどになります
- 年に1回・ときどき:ケガや病気の治療費が1年の平均89,120円でいちばん大きく、ワクチン・健康診断などの予防費が34,024円
- 自分の家の金額は、体の大きさ・トリミングがいる犬種か・保険に入るかの3つで大きく上下します
平均は、トリミングや保険にお金をかける家庭も、ほとんどかけない家庭も合わせた数字です。この記事の最後の表に自分の家の数字を入れて、1年分を出してみてください。
迎えるときに1回だけかかるお金
法律で決まっている手続き
犬の飼い主には、市区町村への登録、年1回の狂犬病の予防注射、鑑札と注射済票を犬につけることが、狂犬病予防法で義務づけられています(厚生労働省)。手数料は市区町村が決めていて、横浜市の場合は次のとおりです。
| 手続き | 横浜市の手数料 | いつかかるか |
|---|---|---|
| 犬の登録(鑑札の交付) | 3,000円 | その犬について一生に1回 |
| 狂犬病予防注射済票の交付 | 550円 | 毎年 |
| 鑑札の再交付 | 1,600円 | なくしたとき |
注射済票の手数料とは別に、注射そのものの料金がかかります。住んでいる市区町村のページで、金額と手続きの場所を確かめてください。
ブリーダーやペットショップから迎えた犬にはマイクロチップが入っていて、飼い主の情報を自分に変える「変更登録」が義務です。手数料は1回につきオンライン申請で400円、紙の申請で1,400円です(環境省)。
最初の動物病院
迎えたら、早めに動物病院で健康チェックを受けます。子犬なら、混合ワクチンの残りの回数も病院と相談します。日本獣医師会の調査(令和3年に実施)の中央値は次のとおりです。
| 内容 | 料金の中央値 |
|---|---|
| 初診料 | 1,500円 |
| 混合ワクチン(5種・6種) | 6,250円 |
| 狂犬病の予防注射 | 4,000円 |
| 去勢手術(麻酔料をのぞく) | 17,500円 |
| 避妊手術(麻酔料をのぞく) | 27,500円 |
料金は病院ごとに決まっていて、調査から年数がたっているので、今の料金とは違うことがあります。手術をするか、いつするかは、犬の体の状態を見て病院と決めることです。
そろえる道具:迎える日までに必要なものから
全部を一度に買わなくても大丈夫です。迎える日までに必要なものと、あとからでいいものに分けると、出費を分けられます。
| 道具 | いつまでに | 選ぶときのポイント |
|---|---|---|
| ケージ・サークル | 迎える日まで | 大人になったときの大きさで選ぶと買いかえが減る |
| キャリー | 迎える日まで | 通院や電車で使う。電車は3辺120cm以内などの決まりがある |
| 首輪・ハーネス・リード | 迎える日まで | 子犬はすぐ大きくなるので、調整できるもの |
| 食器・水入れ | 迎える日まで | 重くてひっくり返りにくいもの |
| トイレトレー・ペットシーツ | 迎える日まで | シーツは毎月買い足す |
| ベッド・毛布 | 迎える日まで | 洗えるもの |
| 迷子札 | 早めに | 鑑札とあわせて首輪につける |
| ブラシ・爪切り・おもちゃ | あとからでよい | 毛の種類、飲みこめない大きさ |
迎える費用は「迎え方」でまったく違う
ペットショップ、ブリーダー、保護団体や自治体からの譲渡など、迎え方で最初に払うお金は大きく変わります。金額だけでなく、その金額に何が含まれているか(ワクチン、健康診断、マイクロチップ、最初のフードなど)を聞いておくと、二重に払わずにすみます。
毎月かかるお金:毎月出ていくものだけで月1.8万円ほど
アニコム損保の調査(2025年の1年間の支出、犬3,974頭、平均5.6歳)から、毎月のように出ていくお金を抜き出しました。1か月あたりは、1年の平均を12で割った目安です。
| 項目 | 1年の平均 | 1か月あたり |
|---|---|---|
| フード・おやつ | 80,029円 | 約6,700円 |
| シャンプー・カット・トリミング料 | 50,575円 | 約4,200円 |
| ペット保険料 | 44,879円 | 約3,700円 |
| 光熱費(飼育に伴う追加分) | 22,273円 | 約1,900円 |
| 日用品 | 14,037円 | 約1,200円 |
| サプリメント | 13,117円 | 約1,100円 |
6つを合わせると1年で224,910円、月に約18,700円です。
自分の家で金額が上下する3つのこと
- 体の大きさ:フードの量は体の大きさでほぼ決まり、予防薬も体重で量や種類が変わるものが多くあります。迎える前に、その犬種が大人になったときのおおよその体重を調べておきます
- トリミングがいる犬種か:トイ・プードルのように毛が伸び続ける犬種は、定期的なカットが必要です。近くのサロンの料金表で、自分の犬の犬種・体重の金額を見て、何週間おきに行くかで1年の回数を決めます
- 保険に入るか:入るなら見積もりの月額、入らないなら毎月の「犬の貯金」の額を決めます。保険料は年齢で上がる商品が多いので、何歳でいくらになるかも見ておきます
トリミング料金の目安と、行く頻度はこちらにまとめています。
見落としやすい光熱費
飼っていることで増えた光熱費は、1年の平均で22,273円でした。暑い季節と寒い季節は、留守番中もエアコンをつけておく家庭が多いからです。毎月の計算には、夏と冬の上乗せを入れておきます。
年に1回・ときどきかかるお金
同じ調査から、毎月ではなく、年に1回やときどき出ていくお金です。
| 項目 | 1年の平均 |
|---|---|
| ケガや病気の治療費 | 89,120円 |
| ワクチン・健康診断等の予防費 | 34,024円 |
| 交通費 | 24,895円 |
| 洋服 | 12,439円 |
| ペットホテル・ペットシッター | 8,291円 |
| しつけ・トレーニング料 | 7,474円 |
| 首輪・リード | 6,073円 |
| ドッグランなど遊べる施設 | 4,633円 |
| 防災用品 | 1,557円 |
予防費:毎年の狂犬病の注射と、混合ワクチン
- 狂犬病の予防注射:法律で毎年1回。注射の料金+注射済票の手数料(横浜市は550円)。時期と場所は市区町村の案内で確かめます
- 混合ワクチン:法律の義務ではありませんが、ペットホテルやドッグラン、トリミングサロン、犬と泊まれる宿で証明書を求められることがよくあります。何種を何年おきに打つかは病院と相談します
- 健康診断:どの検査を入れるかで金額が大きく変わります。病院で1年分の予定と金額を聞いておきます
年に1回のお金はまとめて出ていくので、毎月少しずつ取り分けておくと楽になります。
治療費:平均より、まとまった額へのそなえ
治療費の平均89,120円は、何もなかった犬と、入院や手術をした犬を合わせた数字です。1回の手術や入院で、この何倍もかかることもあります。そなえ方は大きく2つです。
- 毎月決まった額を「犬の貯金」にする:使わなかった分は残る。急に大きな額が必要になると足りないことがある
- ペット保険に入る:毎月の保険料がかかるかわりに、補償の範囲で治療費の一部が戻る。補償の割合、1年の上限、対象外の病気が商品ごとに違う
かかりつけにしたい病院は、料金の聞き方も含めて、迎える前に探しておくと安心です。
旅行・帰省のときのお金
家をあけるときはペットホテルやシッター、一緒に出かけるなら犬と泊まれる宿の犬の料金がかかります。年に何回預けるか、何回一緒に出かけるかを決めて、1年分に足しておきます。
自分の家の1年分を見積もる
次の順に数字を入れると、「1年でいくら」がおおよそ出ます。
- 迎えたい犬種の、大人になったときの体重を調べる
- 気になるフードの袋で1日の量を見て、1か月に何袋いるか計算する
- ペットシーツ・おやつ・うんち袋の1か月分を足す
- 近くのトリミングサロンの料金×1年に行く回数を足す
- かかりつけにしたい病院に、ワクチン・予防・健康診断の1年分の料金を聞く
- 市区町村の注射済票の手数料を足す
- 保険の見積もりの年額、または「犬の貯金」の年額を足す
- 預ける回数、一緒に旅行する回数の分を足す
| 分け方 | 項目 | 1年の金額の出し方 | 平均(参考) |
|---|---|---|---|
| 毎月 | フード・おやつ | 1か月分×12 | 80,029円 |
| 毎月 | トリミング | 1回の料金×回数 | 50,575円 |
| 毎月 | 保険または犬の貯金 | 月額×12 | 44,879円(保険料) |
| 毎月 | 日用品・シーツ | 1か月分×12 | 14,037円 |
| 毎月 | 増える光熱費 | 夏と冬の上乗せ | 22,273円 |
| 年1回 | 狂犬病の注射・混合ワクチン・健康診断 | 病院で聞いた金額+注射済票 | 34,024円(予防費) |
| ときどき | 預け先・旅行 | 1回×回数 | 8,291円(ホテル・シッター) |
できあがった数字を12で割ると、毎月どれくらい用意しておけばよいかがわかります。これとは別に、迎えるときの1回だけのお金(迎える費用・道具・登録・最初の病院)を用意しておきます。
病院・トリミング・ペットホテル・ドッグランなど、お店やサービスごとの料金の目安は、こちらの記事にまとめています。
よくある質問
Q犬を飼うと、毎月いくらかかりますか?
アニコム損保の調査(2025年、犬3,974頭)では1年の平均が413,416円で、月にすると約34,000円です。フードやトリミング、保険など毎月出ていくものだけなら月約18,700円でした。体の大きさや犬種、保険に入るかで大きく変わります。
Q犬を迎えるときの初期費用には何がありますか?
迎える費用、登録(横浜市は3,000円)と狂犬病の予防注射・注射済票、マイクロチップの変更登録(オンライン400円)、最初の動物病院、ケージやキャリーなどの道具です。迎える費用は迎え方で大きく違うので、何が含まれているかを確かめましょう。
Q小型犬なら安くすみますか?
フードや予防薬など体重で決まるものは少なくすみます。ただ、毛が伸び続ける小型犬はトリミング代がかかりますし、治療費は体の大きさだけでは決まりません。「小型犬だから安い」とは言い切れません。
Q1年でいちばんお金がかかるのは何ですか?
同じ調査では、ケガや病気の治療費(平均89,120円)、フード・おやつ(80,029円)、トリミング(50,575円)、ペット保険料(44,879円)の順でした。
Q毎年かならずかかるものは何ですか?
狂犬病の予防注射です。法律で年1回と決まっていて、注射の料金のほかに注射済票の手数料がかかります(横浜市は550円)。
参考にした情報
- アニコム損保「2025年の1年間にペットにかけた年間支出額」ニュースリリース(2026年3月11日)
- 厚生労働省「狂犬病」
- 横浜市「犬の飼い主さんへ」
- 環境省「犬と猫のマイクロチップ情報登録に関するQ&A」
- 日本獣医師会「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査 調査結果」(令和5年9月公表、令和3年調査)
(いずれも2026年10月に確認)
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