まず結論:近くを探しながら、その日のうちに「保健所」と「警察」へ
犬がいなくなったら、すぐに近くを探しながら、その日のうちに保健所(動物愛護センター)と警察の両方に連絡します。迷子の犬は、見つけた人が保健所に知らせることもあれば、警察に届けることもあるからです。
堺市は、迷子になったときの順番を次のように案内しています。
- 近くを探す(すぐに):家で待っていても、動物が自分で帰ってくることはまずない
- 保健所と警察に連絡する(その日のうちに):警察署か交番には、出向いて「遺失届」を出す
- 近くの市町村の保健所にも連絡する:体力のある犬は、となりの市まで行ってしまうことがある
- ポスターやビラを作る(当日〜数日以内):近所の動物病院やお店に掲示をお願いし、近所に配る
この記事では、この順番に沿って、何をどこに伝えるか、どう探すか、見つかったあとの手続き、次に備えることまでまとめます。
いなくなってすぐ:近くを探す
落ち着いて、近くから順に
いなくなった直後は、遠くまで行っていないこともあります。家族や近所の人に声をかけ、手分けして探しましょう。
- いなくなった場所のまわりから、少しずつ範囲を広げる
- 植え込み、車の下、物置や建物のすき間、階段の下など、隠れられる場所ものぞく
- 名前を呼ぶときは、落ち着いた声で。大きな声で追いかけると、こわがって逃げることがある
- いつもの散歩コースや、よく行く公園も見に行く
- 家の玄関や門は、犬が戻ってきたときに入れるようにしつつ、だれか1人が家で待つ
堺市は、パニックになって逃げている犬を無理に追うと、車道に飛び出すことがあるので、保護は慎重にするよう呼びかけています。見つけても、走って追いかけるより、しゃがんで名前を呼ぶ、好きなおやつを見せるなど、犬のほうから近づいてくるのを待つほうが安全なことがあります。
小型犬と大きな犬で、探し方が少し変わる
堺市の案内では、運動量の少ない小型犬は、いなくなった場所からほとんど移動しないこともあるとしています。一方、中型犬より大きな犬は、時間がたつほど遠くへ移動してしまうおそれがあるので、ビラはできるだけ早く配るよう書いています。
| 犬の大きさ | 考えられること | 探し方のポイント |
|---|---|---|
| 小型犬 | 近くで隠れていることがある | いなくなった場所の近くを、すき間までくり返し探す。近所の家にビラを配る |
| 中型犬より大きい犬 | 時間がたつほど遠くへ行くことがある | 早めに範囲を広げる。となりの市町村の保健所にも連絡する |
どちらの場合も、犬の性格(人なつこい、こわがり)や、いなくなったときの状況(花火や雷の音に驚いた、など)で動き方は変わります。
写真と特徴をまとめる
連絡するときにも、ビラを作るときにも使うので、探しながら家族でまとめておきます。
- 顔と全身がわかる写真(最近のもの)
- 犬種(ミックスなら、耳の形・しっぽの形・顔だち・体形)
- 毛の色、毛の長さ、カットの様子
- 性別、不妊・去勢手術をしているか
- 大きさ(体重、体長、体高)
- 首輪・リード・服の色や形、迷子札・鑑札・注射済票をつけているか
- マイクロチップを入れているか
- 性格(おくびょう、人なつこい など)
堺市は、ミックスの犬は特徴が誤解なく伝わるよう、耳やしっぽの形、顔だち、体形などをできるだけ詳しく伝えるよう案内しています。
その日のうちに:連絡先と伝えること
連絡先は3つ
| 連絡先 | いつ | すること |
|---|---|---|
| 保健所・動物愛護センター(自治体によって名前が違う) | その日のうちに | 迷子になったことを届け出る。保護されている犬がいないか確かめる |
| 警察署・交番 | その日のうちに | 遺失届を出す(堺市は、警察署か交番に出向いて書類で出すよう案内) |
| となりの市町村の保健所など | 早めに | 遠くまで行っている場合に備えて知らせる |
埼玉県(草加保健所の案内)も、住所地の保健所か県の動物指導センターに連絡し、住民が犬を保護して警察に届け出ることもあるので、最寄りの警察署にも連絡するよう案内しています。
環境省の収容動物検索情報サイトは、保健所・動物管理センター・交番に加えて、動物病院にも連絡するよう呼びかけています。けがをした犬が、見つけた人に動物病院へ連れて行かれることもあるからです。
伝えること
堺市と埼玉県の案内をもとに、伝える内容をまとめました。
- 届け出る人の住所・名前・電話番号
- いなくなった日時(「最後に見た日時」と「いないと気づいた日時」の両方)
- いなくなった場所
- そのときの状況(散歩中に首輪が抜けた、気づいたら家にいなかった、など)
- 犬の特徴(上でまとめたもの)
- 首輪・リードの色や材質、鑑札やマイクロチップの有無
- 性格
写真があれば、郵送やメールで関係する機関に送っておくよう、堺市は案内しています。堺市のように、インターネット(電子申請)で届け出られる自治体もあります。
夜や休みの日にいなくなったら
保健所や動物指導センターは、平日の昼間だけ受け付けているところが多くあります(埼玉県の草加保健所や県の動物指導センターは、平日8時30分〜17時15分)。夜や休みの日は、まず警察署か交番に遺失届を出し、近くを探しながら、窓口が開いたらすぐに保健所へ連絡しましょう。
自治体の「保護している犬」の情報を毎日見る
多くの自治体は、保護している犬の情報をホームページに載せています。堺市は、近くの自治体のページもこまめに見るよう呼びかけ、環境省の収容動物検索情報サイトを紹介しています。埼玉県のように、県内の保健所などに保護されている犬や猫の情報を、電話で調べてくれるサービスを設けているところもあります。
当日〜数日以内:ビラ・声かけ・ネットで知らせる
ビラ・ポスターに入れること
自分や家族だけで探せる範囲には限りがあります。堺市は、ビラやポスターを作って、近くの動物病院やスーパーなどに掲示をお願いしたり、近所に配ったりするよう案内しています。
| 入れること | ポイント |
|---|---|
| 大きな写真 | 顔と全身がわかるもの。毛の色がわかるカラー写真 |
| いなくなった日時と場所 | 「〇月〇日夕方、〇〇公園の近く」のように具体的に |
| 特徴 | 犬種、毛の色、大きさ、首輪の色、性別 |
| 性格と注意 | 「こわがりなので追いかけないでください」など |
| 連絡先 | 苗字と携帯電話の番号など、必要以上の個人情報は書かない |
貼るとき・配るときの注意
- ポスターを貼るときは、その場所の持ち主の許可をもらう
- 貼った場所や配った場所を、地図などに記録しておく
- 見つかったら、貼ったポスターはすぐにはがす
連絡先については、堺市は、苗字だけにする、すぐに変えられる携帯電話の番号にするなど、必要以上の個人情報を書かないよう呼びかけています。
声をかけておきたい場所
- 近くの動物病院
- ペットショップ、トリミングサロン
- スーパーやコンビニ(掲示のお願い)
- 散歩でよく会う人、近所の人
犬を見かけた人や、保護した人から連絡が入ることがあります。
ネットで知らせる
SNSや地域の掲示板で知らせるのも、情報を広げる方法の1つです。環境省の収容動物検索情報サイトも、ポスターやチラシに加えて、インターネットの掲示板などを使って探すよう案内しています。家の住所など、個人情報の出しすぎには気をつけましょう。
見つかったら:連絡と引き取りの手続き
届けたところすべてに「見つかった」と伝える
自分で見つけた場合も、保健所・警察・声をかけた人やお店に「見つかった」と知らせます。埼玉県も、通報したあとに犬が見つかったら、必ず通報先に連絡するよう求めています。ビラやポスターも、すべてはがしましょう。
保健所などに保護されていた場合
保健所などに保護されていた場合は、引き取りの手続きがあります。
- 大阪府動物愛護管理センターは、返還のときに持ってくる書類などがあるので、必ず電話で問い合わせるよう案内しています
- 埼玉県(草加保健所の案内)では、「動物返還申請書」を出し、返還手数料3,500円と、1日500円の飼養管理費を現金で払います。たとえば木曜に保護され金曜に返還されると、3,500円+2日分1,000円で4,500円です
手数料や必要な書類は自治体によって違うので、行く前に電話で確かめましょう。
体の様子を見る
外にいた間に、けがをしていたり、疲れていたりすることがあります。体のことで気になることがあれば、動物病院に相談してください。
次に備える:迷子にしないため・見つけてもらうため
逃げた原因をふさぐ
堺市は、逃げた原因を思い出し、同じ理由で逃げないように対処するよう呼びかけ、よくある例を挙げています。
| よくある原因 | 対策 |
|---|---|
| 花火・台風・雷の大きな音でパニックになった | 花火大会の夜や悪天候の日は、前もって犬を屋内に入れておく |
| 古い首輪やリードが壊れた | 新しいものに変え、傷んでいないか定期的に点検する |
| 玄関の扉が開いていた | 扉や窓を開けっぱなしにしない。玄関から扉を1枚へだてた奥で過ごさせる |
| 公園で放していたらいなくなった | 放し飼いはしない。リードでつないで散歩する |
| 引っ越しや工事で扉が長く開いていた | 業者が出入りする間は、ケージに入れるなど逃げない工夫をする |
散歩中に首輪が抜ける、ハーネスが外れる、というのもよくあることです。首輪やハーネスのサイズが今の体に合っているか、ときどき確かめましょう。
鑑札・注射済票・迷子札をつける
狂犬病予防法では、飼い主は犬の登録と毎年の狂犬病予防注射をし、交付された鑑札と注射済票を犬につけることが決められています(厚生労働省)。堺市は、鑑札や注射済票が首輪についていれば、保護されたときに動物指導センターや警察から早く連絡できると案内しています。
連絡先を書いた迷子札をつけておけば、保護した人が直接連絡できます。首輪についているものをかじってしまう犬は、首輪に直接連絡先を書いておく方法も堺市は紹介しています。家の中で過ごす犬でも、逃げてしまうことがあるので、つけておきましょう。
マイクロチップの登録情報を最新にする
マイクロチップの中には、15けたの番号しか記録されていません。番号に対応する飼い主の情報が登録されていて、はじめて飼い主にたどりつけます。新宿区は、環境省のデータベースの情報が更新されていないと飼い主にたどりつけないと注意しています。
- 引っ越しや電話番号の変更をしたら、「犬と猫のマイクロチップ情報登録」のサイトで登録事項を変える
- 登録事項の変更届には、手数料はかかりません(環境省)
- ペットショップなどから迎えた犬は、飼い主の情報に変える「変更登録」が必要です(オンラインで400円)
新宿区は、狂犬病予防法により、飼い犬に関する事項に変更があったときは30日以内に届け出なければならないと案内しています。引っ越しのときは、市区町村への届け出とマイクロチップの情報の両方を忘れずに変えましょう。
写真をふだんから撮っておく
迷子になったときに困るのが、「最近の、特徴がよくわかる写真がない」ことです。顔の正面、横からの全身、毛の色がわかる明るい写真を、スマートフォンに入れておきましょう。トリミングで見た目が大きく変わったときも、撮り直しておくと安心です。
旅行やおでかけの前に
旅先やドッグランなど、土地勘のない場所で迷子になると、探すのが大変です。
- 出かける前に、首輪やハーネス、リードの金具を点検する
- 迷子札の電話番号が、出先でもつながる番号か確かめる
- 車のドアや宿の出入口を開けるときは、リードを持つ
- 旅先でいなくなったら、その場所を担当する保健所と、近くの警察に連絡する
よくある質問
Q夜中や休日にいなくなったら、どこに連絡すればいい?
まず最寄りの警察署か交番に遺失届を出しましょう。保健所や動物指導センターは平日の昼間だけ受け付けているところが多いので、開いたらすぐに連絡します。堺市のように、インターネットで届け出られる自治体もあります。
Q保健所と警察、どちらか一方だけでいい?
両方に連絡しましょう。迷子の犬を見つけた人が、保健所に知らせることもあれば、警察に届けることもあります。どちらかだけだと、情報がつながらないことがあります。
Qマイクロチップを入れていれば安心?
保護されたときに番号を読み取れば、登録された飼い主の情報にたどりつけます。ただし、登録情報が古いままだと連絡がつきません。住所や電話番号が変わったら、登録事項を変えておきましょう。変更届に手数料はかかりません。
Q何日くらい探せば見つかる?
犬の性格やいなくなった場所によって大きく違うので、決まった日数はありません。保護されている可能性もあるので、保健所と警察への確認や、自治体の保護情報のチェックは毎日続けましょう。
Q迷子の犬を見つけたときは、どうすればいい?
堺市は、飼い主が探している可能性があるので、動物指導センター(保健所)と警察にすぐ連絡するよう案内しています。首輪に迷子札や鑑札がついていれば、そこから飼い主にたどりつけることがあります。
参考にした情報
- 堺市「迷い犬・迷い猫に関する相談」 https://www.city.sakai.lg.jp/kurashi/dobutsu/dogcat/komarigoto/mayoisodan.html
- 埼玉県 草加保健所「迷い犬」 https://www.pref.saitama.lg.jp/b0704/seiei-yakuji/dog-miss.html
- 大阪府動物愛護管理センター「迷子犬」 https://www.pref.osaka.lg.jp/o120200/doaicenter/doaicenter/maigoken.html
- 環境省「収容動物検索情報サイト」 https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/shuyo/index.html
- 環境省「犬と猫のマイクロチップ情報登録について」 https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/pickup/chip.html
- 環境省「犬と猫のマイクロチップ情報登録」(飼い主向けサイト) https://reg.mc.env.go.jp/owner/
- 新宿区「住所や飼い主の変更について」 https://www.city.shinjuku.lg.jp/kenkou/eisei01_000001_00024.html
- 厚生労働省「狂犬病に関するQ&A」 https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/07.html
(いずれも2026年10月に確認)
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