3-1合図の言葉を1つに
「おいで」「カム」など、1つに決めて家族でそろえます。名前は「こっちを見て」、「おいで」は「そばまで来て」、と分けておくと使い分けがしやすくなります。いままで何度呼んでも来なかった言葉は、聞き流すくせがついていることがあるので、新しい言葉に変えてやり直すのも1つの方法です。
犬が呼んでも来ないときは、戻れるようになるまでリードを外さず、家の中で「合図1回で来たらいいことがある」から作り直すのが近道です。追いかけない、来たら叱らない、呼んだらまた遊ばせる。理由別の見直し方、段階ごとの練習、ドッグランで放す前のチェックと規約の例をまとめました。
まず結論
呼んでも戻らないのは、多くの場合、「呼ばれて行っても、いいことがない(遊びが終わる、叱られる)」か、「まわりのほうがおもしろすぎて合図が届いていない」かのどちらかです。直し方は、合図の意味を家で作り直して、気が散る場所へ少しずつ広げることです。
今日からすること:家の中で、犬がこちらを見ているときに合図を1回だけ言い、来たらほめてごほうび、を数回だけやってみましょう。ドッグランに行く予定があるなら、それまではリードをつけたまま使います。
玄関や庭から外へ飛び出して、もう姿が見えない。そんなときは、この記事の練習より先に犬が迷子になったらすぐやることを見てください。
6つのうち1つめ
ドッグランや家の中で、呼んでも来ない。その場でできることです。
6つのうち2つめ
考えられる理由まわりの刺激が強すぎる
見直すところ練習の段階を1つ戻す。人や犬の少ない場所・時間で
考えられる理由呼ばれたあとに嫌なことが続いた
見直すところ嫌なことをするときは呼ばずに迎えに行く。合図の言葉を新しくする
考えられる理由ごほうびが「見せてから」になっている
見直すところおやつはポケットに。来たあとに出す。ほめ言葉だけの回もつくる
考えられる理由盛り上がってから呼んでいる
見直すところ盛り上がる前に呼ぶ。最初は短い時間で切り上げる
考えられる理由言葉やごほうびがばらばら
見直すところ家族で合図とほめ方をそろえる
考えられる理由呼ばれる=遊びの終わり
見直すところ呼んでほめて、また遊ばせる。最後の1回だけ帰る
いちばん多いのは、最後の「呼ばれる=遊びの終わり」です。ドッグランで、帰るときにしか呼んでいないと、犬は合図を聞くほど損をします。呼んだら、ほめて、またすぐ放す。これを何回もくり返すと、「呼ばれても遊びは終わらない」と覚えます。
6つのうち3つめ
「おいで」「カム」など、1つに決めて家族でそろえます。名前は「こっちを見て」、「おいで」は「そばまで来て」、と分けておくと使い分けがしやすくなります。いままで何度呼んでも来なかった言葉は、聞き流すくせがついていることがあるので、新しい言葉に変えてやり直すのも1つの方法です。
戻ってきたら、すぐにほめてごほうびをあげます。外ではまわりに負けないよう、家で使うものより好きなものを使います。
ただし、おやつやおもちゃが使えないドッグランもあります。駒沢オリンピック公園ドッグランは、犬へのえさ・おやつと、ボールやおもちゃなど運動用具の持ち込み・利用を禁止しています(公式の規約より)。練習の後半は、ほめ言葉やなでることだけでも来られるようにしておきます。
6つのうち4つめ
1回の練習は数分で十分です。飽きる前に、うまくできたところで終えます。
| 段階 | 場所 | やること | 次に進む目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 家の中 | 数歩はなれて合図し、来たらほめる | 家のどこから呼んでも来る |
| 2 | 家の中(気が散る状態) | おもちゃで遊んでいるときに呼ぶ | 遊びをやめて来られる |
| 3 | 庭や静かな屋外(リードをつけたまま) | リードの長さの分はなれて呼ぶ | 外でも合図ですぐ向きを変える |
| 4 | すいている時間のドッグラン・貸切できる場所 | 放して、少しはなれたところから呼ぶ | ほかに気を取られても来る |
| 5 | ふだんのドッグラン | 遊びの途中で呼び、ほめてまた遊ばせる | 遊んでいる最中でも戻れる |
外はにおいや音、ほかの犬など、気になるものだらけです。家でできていても、外ではできないのがふつうです。リードをつけたまま、リードの長さの分だけはなれて呼びます。来なかったらリードを軽く引いてそばに来させ、来たらほめます。
道や公園でリードを外して練習するのはやめましょう。江東区は、東京都の動物愛護管理条例で、散歩のときに犬をリードから放すことが禁止されていると案内しています。ほかの地域でも、条例で同じような決まりを設けているところがあります。
はじめて放すのは、ほかの犬の少ない平日の朝など、すいている時間に。慣れていない犬向けのエリアを設けているドッグランもあります。埼玉県草加市の草加市ドッグラン広場には、ドッグランにまだ不慣れな犬も想定した「コミュニティゾーン(マナーアップゾーン)」があり、東京都立川市の国営昭和記念公園のドッグランには「ビギナーズエリア」があります(公式ページより)。
ロングリードや伸縮リードを伸ばして使うことを禁止しているドッグランもあります(駒沢オリンピック公園ドッグランなど)。長いリードで練習したいときは、貸切できるドッグランや、しつけ教室の場所を使う方法があります。たとえば滋賀県甲良町の道の駅せせらぎの里こうらは、無料エリアと有料の貸切エリアがあるドッグランを運営し、地元のドッグトレーナーとしつけ教室も開いています(公式サイトより)。
6つのうち5つめ
次のことができていれば、リードを外す準備ができていると考えられます。1つでも不安があれば、リードをつけたまま練習を続けます。
犬ふぁんが公式ページで規約まで確かめたドッグラン(主に自治体・公園のドッグラン)のうち、「入れない犬」の条件が書かれていた23か所を見ると、「飼い主の指示を聞けない・制御できない犬」を挙げていたのは12か所(52.2%)でした。
呼び戻しに関わる決まりの例です(いずれも公式ページより要約)。
呼び戻しに関わる決まりしつこく他の犬を追い回すなど、指示を聞けない・制御できない犬は利用できない。指示を聞けない犬はリードを外さない。1人2頭まで
呼び戻しに関わる決まり興奮が高すぎて、安全の確保や制御が難しいと判断される犬は利用できない
呼び戻しに関わる決まり1人が連れて入れる頭数は、常に制御できる頭数まで
呼び戻しに関わる決まり頭数の上限は書かれていないが、制御できない場合はリードを放さない
2頭以上で行くなら、1頭ずつ呼んで戻せるかを先に確かめておきましょう。近くのドッグランがどんな犬を入れていないかは、下の地図で見られます。この決まりがあるドッグランは目立たせています。
東京都の18か所・うち12か所が「指示を聞けない犬はNG」
指示を聞けない犬はNGそのほか
いる場所の近くのドッグランも探せます。
一覧から探す →ドッグランの中で呼ぶタイミング(ほかの犬を追い回しはじめた、新しい犬が入ってきた、など)や、そのほかのマナーはドッグランのマナーにまとめています。
6つのうち6つめ
環境省の「人とペットの災害対策ガイドライン(一般飼い主編)」も、「待て」「おいで」「お座り」「伏せ」などの基本的なしつけを、ふだんからの備えの1つとして挙げています。呼び戻しは、ドッグランだけでなく、もしものときにも役に立ちます。
散歩で引っ張る、ほかの犬に吠えるなど、ほかの困りごとも含めて、こまったときに最初にすることを場面ごとにまとめています。
i-n-u.fun/komatta迷ったときに
練習で変わる犬は多いです。ただ、長く「呼ばれても来なくていい」を続けてきた子ほど時間がかかります。新しい合図の言葉で、家の中の段階からやり直すと進めやすくなります。
家の中での練習は、子犬が家に慣れてきたころから始められます。外やドッグランで放す練習は、ワクチンなどの条件を満たしてからです。
ドッグランによって違います。駒沢オリンピック公園ドッグランのように、えさ・おやつを禁止しているところもあります。ほめ言葉やなでることでも来られるように練習しておきましょう。
すいている時間に、リードをつけたまま雰囲気に慣らす使い方もあります。「指示を聞けない犬はリードを外さない」と決めているドッグランもあるので、放すのは呼んで戻れるようになってからにしましょう。
まず1頭ずつ練習して、それぞれが戻れるようにします。都立公園のドッグランには、1人が連れて入れる頭数を最大2頭までとし、その理由を「コントロールしきれないため」としているところがあります。自信がつくまでは、家族で1頭ずつ担当すると安心です。
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